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第34話

 朽葉は白亜から届いた返事に驚く。 『すぐに迎えに行く』とは、何故そんな返事になってしまったのだろうか。もしかして遠回しに迎えに来てくれないと嫌味を書いたと思われただろうか。そんな捻くれた考え方をする人だとは思えないが、自分が書いた手紙の内容とは正反対の返事が来てしまい、朽葉は驚いてしまう。  困った様子の朽葉に、裏柳もまた白亜の捻くれた考え方で何か誤解が生まれてしまったのだろうと溜め息を吐く。見た目爽やかだし、普段は真面目に正しい判断を下す立派な王なのであるが、変な所で変な誤解をしてしまう様な所が有る。困ったものだ。  さっき帰って来た伝書鳩についてもう一羽飛んできたのが見えた。すぐに折り返して行ったが、多分、白亜が追跡用に飛ばした鳩だろう。  凄く嫌な予感がした。  そして、小一時間も経たぬ内に家の戸が叩かれたのだった。  鳩に追跡用の機械をつけていた白亜は、直ぐにを場所を特定し、直接馬を走らせた。  頭はカッカしていたが、別に法に触れた訳でも無く、悪い事をしたわけでも無いのに騎士団や近衛兵を招集するする訳にもいかなかった。  白亜とて解っているのだ、これはただの嫉妬心であり、我儘なのだと。  だが、本当に色々大変だったのだ。弟はまだ見つからないし、公務や外交等も、弟がしっちゃかめっちゃかにしたものをゼロどころかマイナスから立て直し、弟が手を付けた娘達を保護したり、何人も孕ませやがって! 毎日祈りを捧げ、国の顔として植林や国民への配給、おにぎりを作ったり、いや、国民への奉仕は皆の笑顔を見られるし楽しくも有るのだが、疲れは溜まる。白亜様は神様だと崇められたりするのも割と重いので辞めてほしい。僕に手を合わせないでくれ。  毎日、あっちこっちを行ったり来たり、精神的にも肉体的にも疲労が溜まっていた。  そんな白亜が頑張れたのは、国民の幸せを考えたのも有るが、早く朽葉を迎えに行ってあげなれけば、朽葉に会いたいと言う気持が有った事も大きかった。  それなのに、やっと落ち着いて迎えに行ける目処もたったと思ったのに……  何故僕から全部奪って行くんだ。  僕は知らないが、本当に見覚えも無いのに漆黒と言う男に何か恨みを買われる様な事をしただろうか。  いや、僕は清く正しく美しく慎ましやかに生きているぞ!  聖人君子と崇められるの程の僕が何をしたと言うんだ!!  裏柳に初夜を拒まれたから僕、この歳でまだ童貞なんだぞ!!  

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