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ああ……、太陽ってこんなに眩しかったっけ。翌日。飢えた狼に散々いたぶられた俺が、朝一に思ったことがこれだ。
壱人とエッチしても、毎回突っ込まれ……、つか。あー、毎回繋がるわけじゃない。いくら俺たちが若いと言っても体力に限界はあるし、男同士のそれはかなりの体力と気力を使うし、おまけにちょっとした危険性も伴う。
まあ、さ。女子とはしたことがないから、本当のところは比べようもないけどね。
つまり何日も続けて突っ込まれ……、じゃなくて繋がれば。どんなに気をつけていても繋がったそこが炎症を起こしたり、ごく浅い内部や入口に軽い擦傷や裂傷を負ったりもするわけで。
昨日はそれもあって突っ込まれ……、ああもう面倒くせ。ぶっちゃけ挿入なしのエッチだったんだけど。お互いのモノを擦り合わせたり、太股で壱人のモノを挟むいわゆる素股ってやつ。それでも性的な意味で泣かされて、朝起きてみればこの有様だ。
「……あー、頭がガンガンする」
しかもなんとか喉から搾り出した声が、今回も有り得ないくらいに掠れている。挿入なしでのエッチは壱人が満足するのに時間がかかるから、時間をかけてねちっこく泣かされることになる。
それは本当に泣かされるって表現がぴったり来るもので、俺は眩しい朝の陽射しに軽い目眩 を覚えた。
「……つか、この声でカラオケかよ」
今日一日のスケジュールを思うと、ますます目が眩 む。今日は土曜日。中間テストが終わった最初の休日だ。
なんやかんやで村上や水上とも仲良くなった俺は、壱人を交えて彼らとカラオケに行くことになった。何故か橋本と結木さんも一緒に。
しかも最初は「彼女を紹介しろ」と言って来た二人と女装姿で遊ばないかとか壱人がぬかしやがったけど、それはなんとかやめさせた。その代わりに何故か幼なじみである俺を紹介しろよと言われたらしく、それぐらいならと今日のスケジュールが決まったのだ。
今では一応学校で擦れ違ったりしたら挨拶したり軽い雑談をすることもあるけど、まだ俺と二人とは顔見知り程度の間柄でしかない。しかも二人ともが男前だし……、このメンバーはちょっと残念な男前、馬面の橋本も一応含めて全員が美男美女で、どうにも気が進まない。
橋本は顎 の位置はそのままで、少しだけ背が縮んだら他のメンバーに引けをとらないくらいの男前だ。敢えてイケメンとは言わないけど。そんな残念な男がいてくれてよかったと心から思いながら、勢いをつけてベッドから起き上がった。
……なんつーか、不吉な予感しかしないんですけども。
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