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ゲーム①

 ベッドの上、乱暴に組み敷かれ、貪り合うように口付けを交わす。  お互い気持ちなんか無い癖に、ただ熱を与え合い、放出する為だけに交わる関係。  でもそれが気楽で、今の俺には心地良い。 「翠も、ノリノリじゃん」   クククと嗤う和希の憎たらしい表情にムカつき、肩に軽く噛み付いた。  すると馬乗りになった状態でガン、と両肩をベッドに押さえ付けられ、完全に身動きを封じられてしまった。 「お前さぁ......ホント、懲りないよね?  そういう勝ち気なところも、俺は嫌いじゃないけど」  コイツは行為の最中、お仕置きと称して様々な罰を俺に与える。  とはいえこれはプレイの一環みたいなモノだから、傷付けられたり、痛い目に遭わされたりする事は絶対に無いけれど。   スラックスのボタンに手を掛け、脱がされそうになったから自ら腰を上げ、それに協力した。  和希は満足そうにニヤリと笑い、脱がせると、剥き出しになった俺の膝にキスをした。  そして俺が履いていたボクサーパンツを途中までずり下ろし、右足に引っ掛けたままの状態で今度はちょっと悪戯っぽく笑った。 「翠、足下げんなよ?  これ落としたら、罰ゲームだから」  コイツのこういう子供みたいなところ、実は結構好きだったりする。  それに罰ゲームなんて言いながら、絶対に俺の嫌がる事はしないという確信もあるから、プレイとして楽しんでいる部分もある。  しかしすぐに敗けを認めるのは気に食わないから、足に力を入れて高く掲げた。  ちゅっ、ちゅっと音を立てながら、彼の唇が膝から、徐々に上に向かって上がって来る。  だけど際どいところは避け、足の付け根の辺りにしつこいくらい舌を這わされた。

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