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甘い毒①

「......本当にお前、悪趣味過ぎんだろ」  彼の顔を睨み付け、吐き捨てるように言ってやった。  なのに和希は楽しそうに笑い、無言で俺の中に埋めた指を二本に増やした。 「ん......っ!」  自然と漏れた、声。  それを聞き意地悪く、彼の口角が上がった。  ぐちゅぐちゅと音を立てながら、彼の節張った男らしい指先がバラバラと、俺の中で暴れる。  すると俺はまた発情期の雌猫みたいに喘ぐ事しか出来なくなり、与えられる刺激にただ溺れた。 「なんだ。抵抗は、もう終わり?」  ククッと小馬鹿にしたように笑う声すらも、もう俺を煽るエッセンスのひとつでしかない。  だけどされるがままでいるのは悔しかったから、俺も無理矢理笑顔を作り答えた。 「はっ......、抵抗、されたいのかよ?  お前のここだって、もうこんなになってる癖に」  手を伸ばし、息を乱したまま彼の下半身に触れた。   「ホント懲りないヤツだな、翠は。  でもそういう、馬鹿で浅はかなところも好きだけどね」  指を引き抜いたかと思うとそのまま覆い被さって来て、いきなり凶器にも等しい彼の分身を俺の奥に突き立てた。  二本の指なんて比じゃないくらいの、圧倒的な熱量と質量。  既にかなり解れていたとはいえ突然そんなモノを突っ込まれたせいで、悲鳴にも近い声が零れた。 「苦しい?翠。  でもお前の中はもう、準備万端って感じだけど」  まるで俺の体にその形状を覚え込ませようとするかの如く、じっと一番奥に当てたまま微笑む和希。  そんな彼の事をぼんやりと見上げたまま、じんわりとそこから熱が拡がり、まるで毒がまわるみたいに全身が熱くなっていくのを感じた。

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