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体だけの関係③
だから敢えて冷めた表情で、またクスクスと笑いながら言った。
「優しくされるのって、あんまり好きじゃないんだよね。
だから、乱暴にしてくれて良いよ。
その方が俺、興奮するから」
元々翔真は感情をほとんど表に出さない上、あまり饒舌な方ではないから、何を考えているのか分かりにくい。
下手したら冷たい人間に思われそうなほど、シャープな瞳。
いつも年齢の割に大人びているなとは思っていたが、ベッドの上でのこの男は、大学生とは言えまだ未成年なはずなのに色気が半端無かった。
「NGな事って、何かあります?
僕は痛がらせるのと、スカトロ的なのにはあまり興味が無いんです。
翠さんがもしそういうのがお好みなら、やれなくはないですけれどね」
言いながら彼は、俺の下着に手を掛けた。
そして一気に引き下ろすと、クスリと笑った。
事前に条件を確認してくる辺り、こういうワンナイトみたいな関係にもやっぱり慣れているんだなと感じた。
「俺もそっち系は、嫌い。
あと痕を残されると、色々面倒臭い」
その言葉を聞き、翔真はフッと笑った。
「了解しました。
とりあえずここまでは、合格を頂けそうですね」
既に大きく勃ち上がっている事を暗に言われ、ゾクゾクして体が小さく震えた。
「まだほとんど触っていないのに、こんなになって。
翠さんがこういうのも好きだって分かっていたら、もっと早くに遊んで貰ったのになぁ」
彼は普段、どちらかというと聞き手にまわる事が多いのに、行為の最中はどうやらお喋りになるようだ。
だけど彼の低いけれど穏やかな声は好きだし、もっと聞いていたいと思う。
剥き出しになった胸の先端を甘く食まれ、自然と呼吸が荒くなる。
それを見て彼は呆れたように眉をひそめ、意地悪く笑った。
「......ここももう、開発済みなんですね」
唇を離し、指先で軽く弾かれると、体は大きく反り返った。
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