39 / 90
体が求めるモノ⑤
ゆっくり何度も抜き差しされると、甘い吐息が溢れた。
それを見た和希は馬鹿にしたように笑い、意地悪く耳元でまた囁いた。
「何を勝手に、気持ち良くなってんの?
まだちゃんとおねだり、出来てないだろ?」
突っ込まれる時よりも抜かれる時の方が感じてしまうのも、もうコイツには知られている。
そのためわざとゆっくり引き抜かれる度に、理性が融かされていくような気がした。
「翠、ちゃんと言えよ。
じゃないとずっと、このままだぞ?」
悔しいし情けないのに、やっぱりこの男には抗う事が出来ない。
中でグッと指を曲げられ、前立腺の辺りを抉られた。
「ここ......指じゃなくもっと太いので乱暴に擦られないと、どうせお前は満足出来ない癖に」
そのまま指を引き抜き、強引に顔だけ後ろを向かせると、和希はじっと俺の顔を見つめた。
捕えた獲物を嬲る肉食獣みたいな、冷酷な瞳。
それを見て、ゴクリと喉が鳴るのを感じた。
「和希......淫乱な俺の事を、めちゃくちゃに犯して下さい」
屈辱的な言葉を口にしながら、ますます昂る体。
「仰せのままに」
クスリと笑い、今度は二本の指を乱暴に突っ込まれた。
風呂場に常備しているローションをいつの間にか使ってくれてはいるみたいだけれど、圧迫感が凄まじい。
なのにそれすらも、気持ち良くて。
......まるで発情期の雌猫みたいに、与えられる刺激に夢中で溺れた。
そして軽く解されてから、そのまま後孔に既に熱くかたくなった彼の分身をあてがわれ、俺の肩をしっかり押さえたまま一気に奥まで貫かれた。
「連続で抱かれてるからか、そこまで拡げなくてもあっさり入ったな。
......本当に、やらしいヤツ」
言いながら彼は、昨日翔真に重ねて付けられたキスマークの上に舌を這わせた。
「ここにわざと分かるように、少しずらして痕をつけてくるとか......いい性格してるよな、その男もホント」
ともだちにシェアしよう!