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彼の求めるモノ③

 出逢った日からずっと、翔真は妹の事が好きなのだとばかり思い込んでいた。  だけど彼の心にいたのは、全く別の男だった。 「......何にせよ、不毛過ぎるな」  二度目の行為が終わった後、俺の体を抱き締めたまま健やかな吐息をたてて眠る彼を見つめ、ポツリと呟いた。  さっきの話だと、彼は今のところ、誰か特定の相手を作るつもりは無いという事なのだろう。  だってたぶん彼は、本気の恋愛なんて全く望んでいなくて。  ......俺みたいなヤツに手を出すことで発散し、寂しさを埋めているのだろうから。  だから俺の気持ちに気付いたならばきっと、翔真は距離を置こうとするに違いない。    ......それは、嫌だ。  便利に使われているだけだとしても、翔真が俺の側から居なくなるだなんて。  体だけの関係で良いなんて口では言いながら、本当は出来る事ならコイツの事を一人占めしたいと願っている。  それこそ体だけではなく、心も。  たぶん翔真の心の中には、今もその男が棲みついている。  純粋にソイツの事を愛していた分、あんな終わり方をしたせいで。  ......恋というよりは、まるで呪いみたいに。  なのに心の何処かで、ちょっとだけホッとしている自分もいる。  だって翔真は、誰のモノにもならない。  それは勿論、俺も含めてだけれど。    でも心が手に入らないのであれば、体だけでも俺に溺れてくれないかな。  そうしたらずっと縛り付けて、俺から離れられなくしてやるのに。  「ホント、歪んでるよな。  ......俺も、お前も」  まだあどけなさを残す寝顔を見つめたままそっと髪に触れ、小さく息を吐き出した。

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