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特別な存在④
その後強引にベッドに移動させられ、休む間もなくそのまま四つん這いに。
そして彼はいつものように引き出しから勝手にローションの入ったボトルを取り出すと、透明のぬるぬるした液体を手に取った。
指先が軽く後孔に触れただけで、期待から体が小さく震える。
そのまま執拗なぐらいその周辺を指でなぞられ、直接的な刺激は与えずにただ官能だけを高められていく。
焦らされ続け、いよいよ我慢出来なくなって不満の言葉を口にしようとしたタイミングで、ズブッと中指を奥まで突き入れられた。
その瞬間上体がガクリと崩れ、腰が落ちてしまった。
「こら、翠。
気持ちいいからって、勝手にケツ下げんなよ」
パシンと彼の手のひらが、俺の尻を叩いた。
こんな真似をされて屈辱的なはずなのに、無意識の内に悦んでしまう体。
ヌチュヌチュと卑猥な音を立てながら、俺の中を行ったり来たりする彼の指。
ハァハァと呼吸を乱しながら、与えられる刺激に更に溺れていく。
「何?これ......。
最近ヤりまくってるせいかここ、もう柔らかいんだけど」
馬鹿にしたような、少し冷たい口調。
それに反応し、自然と彼の指を締め付けてしまった。
「......淫乱過ぎだろ、ホント」
もう一度さっきよりも強く打たれ、小さく声が漏れた。
そしてそのタイミングで、乱暴に更に指を足された。
......それも、二本。
「もう三本も、余裕で飲み込んだぞ?
......ったく、どんだけ飢えてんの?」
三本の指がバラバラと、ゆっくり中で開かれ、拡げられていく。
奥まで突っ込まれて、ギリギリまで引き抜かれて。
その繰り返しの中、達しそうになったタイミングで指はすべて引き抜かれてしまった。
「物欲しそうにひくつかせても、今度は簡単には逝かせてやんないから」
ティッシュで指先を拭いながら、楽しそうにまた和希がクククと笑った。
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