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罪悪感③
翔真から来たLIMEのメッセージは、明日か明後日辺り、また泊まりに行っても良いかという確認だった。
特に予定は無かったけれど、正直今はコイツに会いたいと思えなかった。
そして和希に好きだと言われ、あっさり揺らぎまくっている自分に気付き、自身の優柔不断さにちょっと呆れた。
どうしたものかと思い悩んでいたら、気付くと目的のフロアに到着していた。
だから二人並んでエレベーターを降り、俺は自分が所属する総務部に向かって歩き出そうとしたのに。
彼はクスクスと、笑いながら言った。
「ごめんな、翠。困らせて。
今はそうやって、俺のせいで悩んでくれるだけでよしとしとくわ」
すべてを見透かしたようなその言葉に、また戸惑った。
だけどやはり、結局この男の手のひらの上で転がされているだけのような気がして、またしても苛立ちを覚えた。
「ホント、ムカつくヤツだな。
......やっぱり、お前なんか嫌いだ」
視線を上げ、キッと睨み付けてやった。
だけど彼はプッと吹き出して、そのまままた楽しそうに笑った。
「あはは、知ってる。
だけどその分、俺がお前の事を好きだから大丈夫」
何がどう、大丈夫だというのか?
本当にマイペースで、自分勝手な男だと思う。
なのにやっぱり、本気で嫌いにはなれなくて。
......彼の好きだという言葉にあっさり翻弄され、全身がカッと熱を持つのを感じた。
だから慌てて彼から顔をそらして、悪態を吐いた。
「下らねぇ事ばっか、言ってんじゃねぇよ。......バーカ」
すると彼はクスリと笑い、俺の頭をくしゃりと撫でた。
それから和希はまたなとだけ言って、くるりと俺に背を向けた。
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