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俺が望むコト③
翌日は土曜だったし、昨夜は色々と考え過ぎてしまいまたしても寝不足気味だった事もあり、昼過ぎまで惰眠を貪るつもりだった。
だけど朝の、八時過ぎ。
玄関の、インターホンが鳴った。
一度目はまだ眠かったのと、面倒だったのとで無視をした。
すると何度もしつこいくらい鳴らされた上、外で言い争う二人の男の声まで聞こえてきた。
だから近所迷惑になると考え、慌ててドアを開けた。
そこに立っていたのは、そう。
和希と翔真の、ふたりである。
コイツら休みの日のこんな時間に、一体何の用だよ?
それに翔真は昨日の服装のままだから、和希んちに泊まったって事だよな?
もしかして。......また付き合う事になりましたなんていう、報告じゃねぇだろうな?
苛立ちながらも無理矢理笑みを作り、聞いた。
「おはよう。ちゃんと、話し合えたのか?」
翔真は邪気のない、子供みたいな笑顔を浮かべた。
......時々見せるこういう表情が、一番好きだったんだよな。
そんな風に、少しだけ感傷的な気分に浸り掛けたタイミングで、翔真はいつものボソボソとした話し方ではなく、早口で言った。
「おはようございます、翠さん!
うん、おかげさまで。
......ってもしかして、まだ寝てた?」
しかも俺に向かい腕を伸ばして、ぎゅっと抱き付くなんていうオプション付き。
コイツ、こんなキャラだっけ?
......それになんかイントネーションが、いつもと違ってスゲェ関西寄りなんだけど。
予想外過ぎる彼の言動に戸惑い、抱き締められたままチラリと和希の方を見上げた。
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