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心と体が、求めていたモノ④

 めちゃくちゃに一番奥をガン突きされ、中に白濁した液体を吐き出されて意識を飛ばしそうになった瞬間、またしても翔真が俺の胸の頂に悪戯をしてきた。 「翠さん、ホンマやらしくて可愛い。  でもまだ、寝んでね?この後僕とも、するんやから」  もうマジで無理だと、拒絶の言葉を口にしたいのに。  ......和希に強く腰を引かれて抱き寄せられ、吐精したばかりのモノを名残惜しげに最奥に押し付けられたものだから俺の唇はだらしなく開き、喘ぎ声が溢れた。 「和希さんばっかり、ずるい。交替!」  ぼんやりと蕩けきった視界の端で、拗ねて尖った翔真の唇に、和希が笑いながらまたキスをした。  まるでじゃれ合う、二匹の猫みたいだ。    そして和希が俺の上から退くと、すぐに翔真が覆い被さって来た。  だからその背中に腕をまわし、今度は翔真を求め、ねだった。 「......仕方のないヤツだな。  良いよ、翔真。  もう完全に解れてるから、そのまま突っ込んで」    すると翔真はクスリと笑って、一気に俺の体を貫いた。 「やっば!翠さんの中、和希さんに可愛がられた後やからかいつもより熱いし、めっちゃ搾り取ろうとしてくるんやけど」  正常位で繋がったまま、俺を見下ろし言われた。 「だからお前は、いちいちコメントっすんなっての」    俺もククッと笑った瞬間、一際深く抉られた。  そのせいで俺はそれ以上言葉を発する事が出来なくなり、壊れたみたいにただ嬌声をあげ続けた。 「なぁ、翠さん。知ってる?  カリの役目って本来、自分の遺伝子を残せるよう、他の男に先に出された精液を掻き出す事らしいよ」  耳元で翔真が突然そんな無駄な豆知識を語り始めたものだから、その意図が分からず、ただ彼の顔を見上げた。

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