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俺達が選んだ結末①

「おい......休みだからって、いつまでも寝てんじゃねぇぞ。  俺はシーツを、洗いたいんだよ!」  キングサイズのベッドの上、健やかな寝息をたてて眠る男二人が被っていた布団を剥いだ。  するとまだ眠そうに目を擦りながら、翔真がのそのそと動いた。 「ん......翠さん、おはよ。  おはようの、ちゅぅしてくれたら起きる」  その言葉に、思わずプッと吹き出した。 「もう完全に、起きてるじゃん!  ......ホントお前は、あざといな」  文句を口にしながらも彼の唇にキスを落とすと、彼は満足そうにニッと笑い、体を起こした。 「ほら......和希、お前も起きろ!  ったく、だから夜更かししないで早く寝ろっつったのに」  ブツブツ言いながら今度は、和希の大きな体を無理矢理起こそうとした。  だけど、その瞬間。  ......寝たふりをしていたらしき和希に捕まり、逆にベッドに寝転がされてしまった。 「お前、まじでふざっけんな!  もう飯の準備も出来てんだから、朝っぱらから盛ってねぇでさっさと起きやがれ!」  ジタバタと腕の中で暴れると、和希はクククと笑って体を起こし、俺を解放した。 「残念。でもせっかく翠が朝食の用意してくれたなら、起きよっかな」  昨夜はまたしても三人、ぐちゃぐちゃに入り乱れて交わり合ったため、和希は下着しか身につけていない状態だ。  あれからおよそ、一月(ひとつき)の時が過ぎた。  和希の提案により俺達はあの後すぐ、大きな部屋をひとつ借り、一緒に暮らすようになった。  三人で付き合い始めた頃はまだそこまで寒くなかったけれど、いまはかなり冷え込むようになった。  そしてこの東京も寒波の影響で、窓の外の景色は雪化粧を施されている。  寒いのが苦手な俺には、厳しい季節だ。

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