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【SS】Immoral Love ~side和希~①

「お前ホント、どういうつもりなの?  ......俺への当て付けで翠に近付いたなら、許さないから」  俺の自宅にて。  静かに微笑む翔真の顔を睨み付け、聞いた。  以前付き合っていた頃は、まだ少し幼さが残っていた。  でも今は無駄な肉が削ぎ落ちたせいか、あの頃よりもずっと精悍な印象の見た目に変わった。  そしてそんな翔真を前に、いくら見た目が大人びていても本当に当時の彼は高校生だったんだと、今更ながら想い知らされた気がした。 「そんなわけ、無いやん。  さすがにそれは自惚れ過ぎやろ、ストーカーじゃあるまいし。  ......久しぶりの感動の再会やって言うのに、ちょっと(ひど)ない?」  なのにプッと吹き出し、ケラケラと笑う子供みたいなその笑顔は、全くといって良いほど変わらない。  それに一瞬だけ見惚れそうになり、ますます忌々しい気分になった。  コイツと、別れた後。  俺は誰かと真剣に向き合う事が、怖くなった。  そして翔真を失った寂しさを誤魔化すように、次々と男達と関係を持つようになっていった。  そんな時に出会ったのが、翠だった。  俺に向けてくれる、無邪気な笑顔。  俺の求める理不尽な要求をいつも、文句を言いながらも最後は受け入れてくれる彼に次第に惹かれていった。  だけど臆病で卑怯な俺は、彼を傷付ける事でその愛情の深さを測ろうとした。  何処までなら、許してくれる?  ......翠はどれくらい、俺の事が好き?  エスカレートしていく、行為。  それに伴い、翠からは次第に笑顔が消えていった。  そして彼の体に、他の誰かが付けたキスマークを見付けた時。  ......落ち込みもしたけれど、やっぱりコイツも誰でも良いんじゃないかと、何故か少しだけホッとした。

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