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【SS】Immoral Love~side和希~④
「アハハ、やっぱり真面目やなぁ。
でも翠さんの事を裏切らんのと、傷付けへんの......どっちの方が大事なんやろね?」
挑発するように、言われた言葉。
自然と眉間に、深いシワが寄るのを感じた。
「......どういう事だよ?」
意味が分からず、聞いた。
すると翔真は俺の首元に手を回し、クスクスと笑いながら答えた。
「だって翠さん、たぶんやけど僕の事好きやで?」
全部分かった上で、俺も翠も翔真の手のひらの上で、転がされていただけって事か。
......コイツやっぱり、全く信用ならない。
「だとしても俺は、翠を捨てるような真似絶対にしないから」
再び睨み付け、告げた。
それを聞いた翔真は少し寂しそうに笑い、うつむいた。
「翠さんはホンマに、和希さんに愛されてるんやね。
......僕の事はあんな風に、簡単に捨てた癖に」
責めるような、口調。
嘘を吐き、裏切ったのは俺ではなく、彼の方だったはずなのに。
「......簡単になんかじゃ、ない」
言い訳みたいにそう答えると、彼はまた小さく笑った。
「でも捨てた事には、変わりないやろ?」
俺だってコイツの事を、ずっと忘れられなかった。
だけど翠のお陰で、ようやく忘れられると思った。
散々傷付けてきたせいで、翠はもう俺の事なんて好きじゃない。
むしろ今なんて、憎まれているかも知れないくらいだ。
それでも絶対にもう一度振り向かせてやると、つい一時間ほど前までは意気込んでいたはずなのに。
......こんな最悪なタイミングで、またこの男に再会することになるだなんて。
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