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第3話

持ちきれない程の食べ物と景品を抱えながら歩く帰り道。 満足そうに笑う姿を見て、本当に来て良かったと思う。 乗り気じゃなかったのが嘘のように、なんだかんだ俺も楽しんでしまった。 このまま帰ってしまうのが勿体ないくらいだ。 もう少し真尋の浴衣姿を堪能していたい、なんて言ったら変態臭いだろうか。 「..花火したいなぁ。」 「コンビニで買っていくか?公園で出来るだろ。」 「本当?したい!買おう!」 「ふっ、はいはい。」 不意に思い出したかのように呟いた真尋の一言で、花火をすることになった。 確かこの辺りに小さな公園があったはずだ。 同じような考えをした人達が居なければ良いのだけれど。 どうせなら二人きりでやりたい。 「花火とロウソクだけで良い?」 「置いてきちゃったからライターも。」 運良く公園に向かってる途中にコンビニを発見した為、そこに入ることにした。 店内が狭くて置いてないのではないかと心配になったけれど、隅に手持ち花火のコーナーが出来ていて種類が豊富だ。 どれが良いものかと考えていると、真尋は何の迷いもなく少し大きめなセットを手に取った。 多すぎるような気がしないでもないが、やり始めたらそうでもないのだろうか。 「食べながらやるなら酒も買う?」 「そうだな、せっかくだし。」 一応提案のように問うてきたけれど、この顔は最初から買うつもりだったなと思う。 俺の返事に嬉しそうな表情をするから、つい笑ってしまいそうになる。 そんなに強くないくせに、真尋は酒が好きなのだ。 適当にビールやチューハイの缶を、ひょいっと掴んではカゴヘ放り込んでいく。 「そろそろ行くか。」 「そうだね。荷物、持つよ。」 「重いから大丈夫。飯だけ落としそうだからお願いしても良いか?」 「うん、わかった。」 レジで会計を済ませ、食べ物だけ真尋に託して残りの荷物を抱える。 浴衣にそぐわない、かなりの大荷物になってしまった。 帰りには軽くなるだろうから、とりあえず公園まで頑張るか。 コンビニを出て、もうすぐ着くであろう目的地へと向かった。

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