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感度が良いのも問題ですね_6

「お、おい……」 止まることない後輩に俺の身体は引き摺られていくが、悲しいことにさっきの刺激で反応しかけた熱が収まっておらず、普通に歩くのも少々キツい。 「ちょっと、待てって!蓮沼っ!」 抗議の声をあげるとチラリとこちらを一瞥して、嘆息したあと蓮沼は路地裏へと足を向けた。 いつも猫達に餌をやる、あの路地裏だ。 ズカズカと路地裏を歩く蓮沼に、猫達は逃げ去っていく。 「おい、お前いい加減に――」 言い切れなかったのは、突然振り向いた蓮沼の唇が俺の口を塞いだからだ。 「――ん!?んー!」 咄嗟に抵抗を試みるが、見た目の細さからは想像がつかないほど力が強い。 顎を固定されたまま、しっかりと抱え込まれてしまえば身動きが取れない。 呼吸の一つさえさせないと言うかのような激しいキスは、俺の思考を朦朧とさせていく。 「んぅっ………っ…」 気が付いた時には壁に背中を押し付けられ、両手は頭上で一纏めにされていた。 「ッ……何なんだよ、ふざけんな!離せ!」 相も変わらず冷たい、怒りの秘めた目の後輩。 口から溢れ出た唾液を拭うことも出来ず、間抜けな姿をその目に晒してしまっている自分が情けない。 蓮沼は俺の言葉には全く反応せず、空いている片手を俺の頬に伸ばした。 「な、何だよ……?」 「先輩、マスターに触られて感じてましたよね?」 「んな訳……」 「ありましたよね?何ですか、あの声。しっかり感じていたでしょう?」 何を言ってんだ、コイツは……!あんなの不可抗力だろうが! 「別に感じてなんか――」 「感度が良いのは嬉しいことですが、少々厄介だということが分かりました」 「はっ、なんだそれ。一丁前にヤキモチでも妬いてんのか?」 馬鹿にするように鼻で笑ってやると、蓮沼は一瞬の真顔の後、冷ややかに笑った。 「先輩、社会人として基本的なことですが、人の話はちゃんと聞きましょうね」 「は?」 「忘れたんですか?」 そう言うと蓮沼は耳元へと口を近づけてくる。 「――僕は貴方が好きだと言ったはずですよ?」 くちゅっと耳で音が鳴る。 温かな感触が耳を這う感覚に身を捩った。 「やっ………やめろっ!」 耳を舐められる度にゾクゾクと身体が強張っていく。 グリグリと耳の奥まで入ろうとする舌先に堪らず顔を背けるが、またすぐに捕らわれる。 「ふぁ……っ………や、め」 「可愛い声、出てますよ?こんな外で、本当に厭らしい人ですね」 「ふざ、けんな……離れろっ……馬鹿が!」

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