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感度が良いのも問題ですね_17

祥葉はくるりと振り返る。 「コンビニ行こうとしたら、たまたま二人を見かけてさ。浴衣着て楽しそうだったから、ついてきちゃった」 まるで子供のような物言いの後、祥葉は後輩の手を取り腕を絡ませる。 「最近全然構ってくれないじゃん?祥元が気に入った人に興味あったんだ。どんな感じなんだろうって」 ちらりと流された視線。 ああ、なるほど……。 この兄貴は弟が大好きなブラコンってやつらしい。 「確かに気の強そうな感じは祥元の好みそのままだけど、ちょっとおっさんじゃない?」 「なっ……」 三十路手前なのは認めよう……だがしかし、初対面の奴におっさん呼ばわりされる筋合いはない。 「兄さん、水原さんはギリギリ二十代ですよ。それは失礼です」 ……お前も充分失礼だけどな。 「それから僕達は今デート中です。邪魔しないでください」 「なっ、馬鹿野郎!デートじゃねぇよ!」 飛んでもないことを口走る後輩に堪らず突っ込みを入れたら、返ってきたのは呆れた眼差しと溜め息。 「ふーん、デートじゃないって言ってるし一緒に遊んでもいいよね?」 祥葉はニヤリと笑って俺を見る。 「え、いや……それなら兄弟で楽しんでこいよ」 「先輩、行っておきますが帰るなんて選択したらお仕置きですからね。はぐれた事に対するお仕置きもありますから覚悟してくださいね」 そう言って後輩もニヤリと笑った。 ……コイツらこの意地の悪い笑い方そっくりだな。 「祥元がこう言ってるから三人で回ろー!あ、焼きそば食べたい!祥元も好きだろう?」 祥葉はベッタリと腕を絡ませたまま後輩を引っ張っていく。 「ちょっ、待ってください、兄さん」 「早く、早く!」 俺はと言えばまた置いてきぼりな空気だ。 何だかなぁ……と途方に暮れそうになっていたら後輩が首だけ振り向いた。 「さっき綿菓子の出店見つけたんです。買いにいきましょう」 なんて言うもんだから仕方なく重くなった足を動かした。

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