頭がぼーっとする。 「気持ちよかった？」 気持ち……良かったな……、と気だるい身体で頷いた。 「先輩？ふふ、半分聞こえてませんね」 「聞こ……え、てる……」 「はいはい。まあ、この方が都合良いですけどね」 何が？と目で訴えながら蓮沼の動向を追う。 顔を下の方へ下げた蓮沼は俺の太股に手を掛け、グッと持ち上げ始めた。 「お、おい!?何して――ヒッ！」 ピチャッとした感触が後孔に触れた。 まさかと上半身を折り上げて下半身を見れば、顔を埋めた蓮沼の舌が後孔に這っていた。 カァッと急激に熱くなる身体。 「ばっ、何して……やめろ！」 「痛いの嫌でしょう？それともそういう趣味でもあるんですか？」 「ねーよ、馬鹿！てかそういう事じゃ、ねぇ……っ……」 頭を押し退けようとする俺の手なんてものともしないで蓮沼は行為を続ける。 ぴちゃぴちゃと響く水音は多分わざとだ。 「やめ、きたねぇ……だろ……っ！」 「定型文句ですね、平気ですよ。それより舌が当たるとヒクヒクして可愛いです」 舌が這うたびに腰が抜けていく。 起こしていた上半身もずるずるとベッドに沈み、頭を押し返していた手も意味無く添えているだけだ。 「や、マジで、やめ……ろ！」 「止められませんね。だって先輩のここ、厭らしく僕を誘うんですよ」 「ぅあ!?」 じゅっと吸われた感覚に思わず仰け反った。 「やっむ、り……無理だ……やめっ……」 「んー？もう少し我慢して」 「だ、ぁら……む、りだっ……てぇ……」 「もう少し、ね？」 何が、ね？だ！全然可愛くねぇよ！ 絶賛心の声ツッコミ中に舌の動きが変わるのを感じた。 舌先が後孔の入り口をノックするように当てられる。 「お、おい……まさか……っ」 返事の代わりに返ってきた笑みは肯定の意だ。 「ばっ、やめ――んぁっ……あ…ぅ……！」 にゅるっと侵入してきた舌の感触。入口は抵抗すること無く蓮沼の舌を歓迎したようだった。 「むり、むりだっ……ぁ……こ、んな……やっ……動か……すな……っ……んっ」