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釣った魚に餌はやらない_20
身体が熱くなるのは蓮沼の舌の熱か、羞恥からくるものか。
そんなこと分からないぐらい頭がぐちゃぐちゃだ。
「む、りぃ……やだ、やだって……ぁ……」
蓮沼は答えようとせず中に挿れた舌で内側を舐め続ける。
「ぁ、ん……やめ、やめろっ……ふざ、けんな……!」
大きく弧を描いてはグリグリと奥に突き進もうとする。
「んぁっ……だ、……っく……」
舌を埋め込まれたまま、音を立てて吸われると筋肉が解れていくのが嫌でも分かる。
まるで作り替えられていくような気がして怖い。
「ゃだ……って……ふぅ……っ……こ、わ…」
「…………………」
「こわ……ぃ……こわい…っ……や、だ……」
「…………………」
全身が熱い。
顔も胸も腹も愚息も後孔も目頭も……全部熱い。
「うっ……こん、な……む、り……こわっ………ッ…」
熱くて逃れたくて、なのに抵抗出来なくて……。
そんな自分が腹立たしくて怖くて、いろんな感情が混ざりあってぐちゃぐちゃだ。
「や、ぁ……あ……も、こわ……ッ……」
「……またそうやって」
ようやく後孔から舌を抜いた蓮沼は俺を見下ろし嘆息する。
「そういう涙はずるいですよ。本当見かけに寄らず泣き虫ですよね、先輩」
拭ってくる手は変態とは思えないぐらい優しい。
「っ……見かけに寄らず、は余計……だし、……っ泣き虫じゃ、ねぇ……!お前が変な、怖いこと、するのがっ……悪い……だよ……」
「怖いことって……そんな事してないですよ」
よしよし、わざとらしく声を上げて頭を撫でられる。
腹立たしいので振り払ってやった。
「……っ……しただろ!」
「してないですって。じゃあ教えてくださいよ。一体何が怖かったんです?」
「何がって……」
蓮沼の熱に反応してしまう自分の身体が。
どろどろに溶かされそうな思考が。
受け入れ始めようとする心が、
――俺は、怖い…………。
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