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波乱万丈なんて望んでない_17

その言葉を合図に軽く扱くと、頭上の顔は蕩けそうに笑ってみせる。 風呂の熱のせいが白い肌も仄かに赤い。 「――ほら、その口でしゃぶって?」 濡れた指先が下唇を撫で、催促するように二度跳ねた。 遅かれ早かれやるんだ。躊躇ってどうする。 ここは一思いに、男らしく。 勢いが大事だと、大きく開けた口で限界まで昂りを飲み込んだ。 「……んっ…………ぐ……」 やっぱデケェな……全然入りきらねぇ……。 「洸さんのお口、小さいですね」 お前のがデカいだと喋れない口の代わりに睨んでやる。 「ふふ、良い顔。ねえ、頬の内側に擦り付けてください」 やるからには気持ちよくさせたい。 含んだ先端を頬の内側に擦り付け、こうか?と見上げればその顔は恍惚に笑んだ。 「厭らしいなぁ……僕の形になってる」 膨らんだ頬に触れる手と、脈打つ昂りを感じて顔が熱くなる。 「美味しい?」 「ぁうい(不味い)」 「……っ……歯、立てちゃ駄目ですよ。使いモノにならなくなります」 そりゃ願ってもないことだが、その後の報復が怖いので止めておこう。 昂りに浮き出る血管へ舌を這わせつつ、唾液を啜る。 下手だとか言いながら質量増してんじゃねーか。 ざまぁみろ。 「きもひぃか?(気持ちいいか?)」 「技術的には全然なんですけどね。視覚的にムラムラします」 「……いっへろ(言ってろ)」 見てろよ、今回こそ絶対イかせてやる。 一度口から引き抜いて、先端の割れ目に舌を押し付けた。強引に開きながら、唇で吸い上げる。 「……ふっ、……そこ、洸さんの弱いとこですね。自分の気持ちいいとこ攻めるなんてエッチな人だ」

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