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不思議な贈り物
ある日の午後、薫宛に小さな荷物が届けられた。
「差出人……誰だろ」
見覚えのない名前に頭を傾げたがちょうどお中元の時期だしそういったものかもと思い、箱を開ける。
「これって……」
箱の中にはピンク色の卵型機械と男性器を象った機械ーーいわゆる大人のオモチャというやつーーが綺麗に収まっていた。オモチャを手に取りまじまじと眺める。
「一体誰がこんなの……」
箱にオモチャを戻そうとした時、1枚のメモが入っているのに気がついた。
『僕からの贈り物だよ、楽しんでくれたら嬉しいな』
と機械的な文字で記されていた。
「……」
ダメだと思いながら1度は箱にしまって、タンスにしまい込んだ。
ーーーーけれど、好奇心を止められなかった薫は掃除機がけを終えたあとにまたその箱を開けた。
手にした機械を眺めながらごくり、と唾を飲み下す。
興味が全くないと言ったら嘘になる。今もこのオモチャを試したくて身体が疼き始めていた。
「少しだけなら……試してもいいよね」
寝室へと移動した薫は引き出しの奥からローションを取り出した。
ベッドに大判のバスタオルを敷いて下着姿で横になる。ドキドキしながらまずはピンクの卵型の機械のスイッチを押す。
ヴヴヴ……と小さく小刻みに震えるそれは話に聞いた事くらいはあるピンクローターだ。それをおそるおそる胸元へ押し当てる。
「ひっ……」
微振動が胸の突起に当たるとビリビリと痺れるような感覚が体を駆け巡った。まだ振動は弱いはずなのに、慣れないその刺激に薫は体を強ばらせた。
「おっぱい……きもちい……もう乳首たってる……」
ほんの少しだけ押し当てただけなのに刺激を受けた乳首はほんのり色づいて膨れた。乳首にローターを押し当て暫くその刺激を楽しんでいると段々弱では物足りなくなった。薫は振動を中段階へとして反対の胸も刺激する。
「はぁっ……んんっ……」
さっきよりも強い刺激に乳首はさらに硬さを増した。
「ぁっ……こっちも……したい……」
太ももを擦り合わせモジモジしながら1人つぶやく。ローターを胸から離し、下着の上からそっと形をなぞるように押し当てる。
「ふぁぁっ!!」
さっきよりも快感が体を走り抜け、一瞬頭がクラクラした。下着越しでこれだけ気持ちがいいなんて、生身で触れたらどんなに凄いのか……薫は考えただけでヨダレが出そうだった。
下着は既にほんのり濡れ、芯を持たせた陰茎にピッタリとくっついている。形がわかるくらいには膨れ上がっていて、こうなってはもう気の済むまで快感を追わなければ落ち着かないと薫は下着を脱ぎ捨てた。
外気に触れ一瞬ひんやりしたが、体は火照っているから気持ちが良かった。締めつけをなくした薫のペニスは既にお腹につきそうな程に反り返っていた。その先端には液だまりが出来ていた。
「……はぁ、もっと……気持ちよくなりたい……」
直にローターを押し当てる。指が滑って中段階から強段階にスイッチングしてしまったらしく、ペニスの上で激しく振動する。
「はぁぁっん……ひぁっ……ヤバいっ……きもち、よすぎ……」
太ももにキュッと力を入れると、今度は後ろが疼くのを感じた。薫は足を大きく開き、ローションを手に取って後孔へと塗りたくる。ローターでペニスを刺激しながら自分で後ろも解し始める。
「はぁっ……ンン、はぁ……ァんっ」
じゅくじゅくに濡れたペニスが痛いくらいに張り詰めているのを感じながら薫は指を動かしていく。3日と開けずセックスをしている薫の後孔はあっという間に指を三本呑み込むほどに広がった。
「んぁっ……はぁん……おちんちん……欲しくなっちゃった……」
もう1つ、箱に収められていた男性器を象った機械をローションで濡らす。念の為、後孔にもローションを足して滑りを良くしてからドキ機械を後孔に宛てがう。ドキドキしながらもゆっくりと押し込んでいく。
「んっ……ぁ……ぁあ……はいって、きてる……おっきなおちんちん………」
バイブを本物のそれに見立て卑猥な言葉でさらに自分を高めていく。
機械のため温もりは感じられないが、疼いた身体を慰めるのに問題は無さそうだった。
根元までバイブを押し込むとちょうど陰嚢の辺りに出っ張りが当たる仕様になっているようで、そこも刺激を受ける。
「やばい……これっ……すごいぃ……」
薫は全て押し込んだのを確認するとバイブのスイッチを入れる。
「んぁっ……あっ、まっ、まって……まって……これ……だめぇ……」
さっきのローターとは比べ物にならない快感が身体中を駆け巡る。腰が浮いてつま先に力が勝手に篭もる。さらに奥を刺激されてるような気がして目がチカチカするような感覚に薫はただ、ただ喘ぎ声を洩らした。
「ひゃっ……やばぃ……おちんちん……じゃ、ないのに……きもちぃっい……はぁんっ、んっ……」
バイブの根元を持ち、少し動かすだけで内部のいろんな気持ちいいところを刺激される。たまらず、腰を揺らしながらもう片方の手ではローターをペニスの先端に押し当てる。
「あぁっん、だめ……おちんちんきもちい……なかも、そとも……こんな……はぁっ、はぁ……んんッ」
前も後ろも違う刺激を受け薫はずっと快感が体を駆け巡っている。止めようと思えば幾らでもできるのに、それをしないのはこの快感をもっと味わいたいからだ。
「ひゃんっ……ァッ……オモチャで……イッちゃ、うぅ……オモチャでイッちゃうよぉっ」
誰が聞いてる訳でもないが、自分の快感を高めるためわざと言葉に出す。
そして、バイブとローターをダブルで動かしながら薫は呆気なく達してしまう。
「はぁ、はぁ……はっ……癖になりそう……」
頭がぼーっとする中で呟く。
しばらくは腰の当たりがふわふわして動けなかった。
「いいもの貰っちゃったな……」
薫はこれさえあれば当分は1人でも楽しめそうだとこころなしかウキウキしていた。
しかし、本当にこの贈り物は誰が送ってきたのか……それは謎のままだ。夜に一応旦那さんに確認をしようと送り主の名前だけ暗記して箱は片付け、ローターとバイブはローションと一緒にしまい込んだ。
〈終〉
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