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第2話

 毎日、終電に乗って寝るだけの部屋に帰る。  今日に至っては、電車の中でうたた寝をして終着駅まで乗り過ごし、タクシーという出費を払って帰ってきた。  もっと言うなら、光希はそこまでして、この部屋に帰ってこなければならなかった。 「やっと……先週末に受け取ったコレを、やっと使える……!」  疲労感がピークに達し、身体は重い。部屋の電気をつける余裕もない。  それでも、部屋の隅に置かれた小さなダンボールだけは開封したいと彼は思った。  受け取ったのは先週の日曜の夜。しかも受け取った直後に寝落ちてしまい、疲れている平日では開封の儀すらままならない。  彼の性欲は、疲労感以上に、ピークに達していたのである。  日々の労働で、心身ともにすり減らし続けている光希にとって、大人の玩具を使うひとり遊びこそが唯一の趣味であり、娯楽であり、癒やしだった。

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