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第37話

 着いた目的地とやらは、そこそこ人通りが多い通路に面していた。  しかも多いのは人通りだけじゃない。外で興奮して行為に及ぶ二人組(カップルかどうかは断定できなかった)はまだ序の口で、その中の何組かには「二人とも混ざっていかない?」と声をかけられた。行きずりの相手を求め立っている人は数えきれず、何人かが混ざっていく。その様子はまさに――。 「ハッテン場通り越して、外での乱交パーティー会場になってるんだよな、ここ」  透は何でもないような顔でさらりと言ってのけるが、光希はそれどころじゃなかった。あっちで嬌声が聞こえたと思えば、次はストレートな喘ぎ声と水音。何も聞こえない場所を探すと、そこでは行為前のストリップショーが行われた。  E地区の、さらに奥まった場所はエロの無法地帯と言ってもいい。  頭の中にそんな知識はあったものの、実際に見てみると、初心者は落ち着かない。もっというと、エロい雰囲気にあてられてしまう。 「で、E地区に恋人を連れてきて外でヤりたいって需要は前々からあったんだけど、慎み深い子が入る余地なんてないんだよ」 「それは……なんとなくわかるけど」  自分だって、ぶっちゃけてしまえば今すぐ抜いてしまいたい。けれどこのパーティーの中に混ざれるかと言われたら、答えは絶対にNoだ。触手以上にハードルが高すぎる。 「だから、外でヤってるような感覚を味わえる場所を作ったんだと」  ただの雑談かと思えば、まさかの新規事業の説明だった。  彼が指さしているのは、おそらく今回目的となっている建物。大きさはよくある倉庫で、中も特別広くはないだろう。でも、大きさより先に注目すべきことがあった。

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