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第43話
「なあ、いつもはどんな風に触ってた?」
「し、知らない……っ」
「竿の方から擦ったりとか?」
「やぁ……」
ゆっくりと、垂れて来たカウパーを広げるように、指が竿全体を行き来する。
「そ、そんなこと、しない、からぁ……」
ひとりでする時は、目先の快感にばかり目がいった。早く気持ちよくなりたかったから、ひとりで焦らしたりなんてするわけない。こんなもどかしさを、光希は知らない。
「ああ、じゃあ先の方をぐりぐりしたりとか?」
「ひ、ぁ……っ」
性器の中でも敏感な箇所を、ぐっと押される。そのまま小さな円を描くように擦られる。熱は溜まっていて、放出できる快楽もあるのに、出す場所を抑えられているものだから、腰ばかりが揺れてしまう。
「光希は強くされる方が好き、ね。なるほど」
「……っ」
それは、ただの感想なのか羞恥プレイのひとつなのか。どちらにせよ、たった一言、もっと正確に言うなら、たった一文字が、光希の快楽にブレーキをかける。
「…………なよ」
「え?」
「今、僕とヤってんだろ……」
光希は、ということは、他の人の反応も知っているということだ。その人は、柔らかい、微弱な快楽をずっと感じていたいタイプだったのかもしれない。
「だったら、他の人と、比べるなよ……っ」
「そっか。ごめん」
「ん、ん……っ」
どこにスイッチが入ったのか、後ろから感じる熱が少し上がったように思う。首筋に落とされるキスの数も増えた。吸われたような感覚もあるから、キスマークをつけているのかもしれない。
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