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第45話

 後頭部を固定され、前を向くように促される。目の前の鏡には、結合部がはっきりと映った。挿れられた箇所は赤く熟れ、収縮し、もっと欲しいと欲張っている。 「や、やだ……っ、あ、ああぁっ……」  逃げようと腰を動かしたところで、焦らしていた動きは一変し、一気に突き上げられた。欲しくてたまらず、ようやく与えられた刺激に身体は喜ぶ。性器は熱を持ち、どぷどぷと精子が零れていく。  そして、声を上げてしまったので、壁の仕様が変わる。  さっきの、思わず目を背けたくなるような姿はもう映っていない。その代わり、他の人が裸で盛り上がっている姿が見える。向こうもこちらを見ているのだろう。見る、見られるがまた新たなスイッチとなって、盛り上がっているのがわかる。 「や、やだっ、見られて……っ」 「うん、いいじゃん。見られても」  興奮が興奮を呼び、周りに人が集まってくる。 「ここでは曝け出してもいいんだよ」  E地区はそういう場所だ。快感が大好きな人だけが集まってくる。特にこの部屋が設置されている場所は、他人の濡れ場が好きな奴も多いだろう。  光希は透とするまで、ずっとひとりでしてきたと言っていた。その抑圧故か、どうしても矛盾がある。エロに開放的だけど臆病だと、出会った時にわかった。だったら、透は自分の手で彼の全ての曝け出させたかった。 「どこ見られてるかわかる?」 「あっ、わ、わかんないっ」 「まずはここだろ」 「んんっ」  赤く尖った胸の先を指で弾かれた。 「それから、こっちも。ほら、見られてるぞ」  指は下に降り、まだ熱を持つ性器を弄る。指に操られるかのように、外部の視線も同じ個所をなぞっているのがわかる。それに呼応するように、奥がきゅうっと締まった。 「やだぁ……っ、キちゃうっ、また、あぁっ……」 「見られて気持ちいいんだろ? またイきそうになってるし。もっと見てもらえば?」 「んっ、見て、ほしい……っ、透にとろとろにされてるの、みんなにっ……」 「……相変わらず、煽るのが上手いな」 「あああああっ」  繋がったまま、前に押し倒される。その際に、またイイところに当たり、嬌声が漏れた。 「あんっ、あっ、あぁっ……」  全身をがくがくと揺さぶられる。こうなるともう、外の視線が気になるどころか、見せつけたくなるほどに、ぶっ飛んでしまっていた。

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