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第47話

 光希には、小まめに連絡を取るような相手がいなかった。それは前世と同じく現世になっても変わらない。  連絡先を教えるのを拒んでいるわけじゃない。頼まれれば教えるし、小中高とクラスのグループメッセージには毎回入っている。  だから、光希がもし誰かに会いたいとか、今度遊ぼうとか連絡しても、意外には思われるだろうが、きっと嫌がられはしないだろう。  それでも、光希は誰かと小まめに連絡を取り合おうとは思わなかった。  当たり障りのない返事や相槌であればきっとできる。けれど相手を楽しませるための、気の利いた完璧な切り替えしができるとは思わなかったからだ。  そして、完璧じゃない話をしてしまった時、相手が離れていかない自信がなかった。グループメッセージに、業務連絡とありきたりなスタンプを送って満足。愛想が悪いわけでもないし、嫌われたり疎まれたりしているわけでもない。だから、前世より人付き合いができているのだと思い込んでいた。  透と頻繁にメッセージのやり取りをするようになるまでは。  E地区で再会し、あれやこれやと関わっているうちに、彼の親が行っている事業や開発しているグッズのモニターを頼まれた。謝礼は、少し割の良いアルバイトくらいの金額だ。光希が提出した感想文もそこそこ好評で、商品のPOPに引用されているとかいないとか。そんな風におだてられ続けたものだから、モニターは続いている。  そしてそれは、透の関係も続くということだ。

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