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第49話

 メッセージの内容は、いたってシンプル。相談がある。それだけだった。何の相談なのかは書かれていない。  光希が思い当たることといえば、生徒会くらいだろうか。でも、新生徒会が発足してから、まだイベントらしいイベントもないはず。新メンバーについてなのか、それとも引き継ぎ時に何か情報の不足があったのだろうか。少なくとも、慎司から光希に来る相談と言われて心当たりがあるのはそれくらいだった。  できればすぐにでも、明日(というか今日)にでも相談に乗ってほしいということは、緊急性の高いものなのだろう。とはいえ、明日は午後から透と約束をしていた。どこに行くかは聞いていないが、また新商品のモニターといったところだろう。  午後から人の約束があるんだ。午前中だけだったら大丈夫なんだけど。  もし長い時間を望むのなら、また日を改めるのかもしれない。とりあえずで送ったメッセージだったが、すぐに『それでもいいです』と返事が来た。  休日に、約束が2件もあるなんて、珍しいこともあるもんだ。そして二人とも、集合場所は駅前ではなく、光希の部屋を指定してきた。 「この辺、片づけておこう」  ベッドやその周りにはE地区で買い漁り、使用感を試したローターや、洗って乾かしておいたディルドが置かれている。あと、使いすぎてしおれてしまったおひとり様用の触手(水色)も。透に見られたところで今さらだが、この趣味が真面目な後輩にバレてしまえば、ドン引きなんていうレベルじゃないだろう。  幸い、引っ越し直後で、まだ畳んでいないダンボールがあった。詰めて、蓋をして……ベッドの下だと、いかにも「何かエロいものを隠してますよ」という雰囲気が出てしまうだろうか。少し迷って、結局、部屋の隅に「まだ整理していない荷物です」という建前で置いておくことにした。

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