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第63話
口腔を熱い舌が蹂躙していく。水音が立つほど激しいキスなのに、触れた手は頭を優しく撫でてくる。その甘い混乱が嫌じゃなかった。
「あ……っ」
唇が離されると同時に声が漏れた。ボトムスからシャツが生き抜かれ、脇腹をくすぐるように指がなぞっていく。くすぐったさに息を吐くと、また体温が上がったような気がした。身体の熱が増すと、どこを触られても胸がきゅうっと締め付けられる。もっと触ってほしいと反応する。こんなこと、ひとりで遊んでいるだけでは確実に知ることができなかったはずだ。
「んっ、あぁ……」
指はいつの間にか胸の方に来て、既に赤く尖っている飾りをきゅっと摘まんだ。
「ああ、指が冷たかったか」
じゃあこっちで、と言わんばかりに、シャツの上から舐められる。
「ひっ、あ、あんっ」
濡れたシャツが張りついて、痛いほどの快楽をもどかしいものに和らげていく。シャツ越しじゃ足りない。舐めるだけじゃ足りない。
「そんなに突き出してきてさ、もっと舐められたい?」
「んっ、ちがっ……」
すべて、知らないうちに身体が勝手に動いたことだ。
「ま、シャツ越しじゃもどかしいか」
「あん、あぁっ」
片方を軽く食まれ、もう片方は軽く爪で引っ掻かれた。強い刺激が来た。けれどまだシャツ越しでもどかしい。どちらが引き金となったかは分からないが、気づいたら腰がゆっくりと揺れ、下が濡れ始めていた。
「さすがにそのままは嫌だよな。そろそろ脱ごうか」
自分で脱ぐといったのに、透は却下し、楽しそうに光希のシャツのボタンをゆっくりと外していく。
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