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第66話
「やっ、もう、深い……っ」
「ごめん。急にいじらしいこと言われたからさ。本当は、ゆっくり堪能しようとしたんだけど……」
「あんっ、あっ、あぁっ」
途切れることなく、強い快感が与えられる。いいところをこすられると、頭が真っ白になる。さっきまでは自分で動こうとしていたくせに、へたりこんで、もはや彼にされるがままだ。
「んぁっ、あっ、あっ」
深い快楽が内から身体を蝕んでいくようだった。粘膜も、もっと突いてほしいと、絡みつくようにきゅんきゅんと収縮する。官能の熱に浮かされたのか、言うつもりのないことも口走ってしまう。
「付き合ってきた、たくさんの中の……ひとりじゃ、やだ……っ、僕だけがいいっ……僕だけの透がいい……っ、あっ、あぁっ」
奥がさらに圧迫されると思ったら、どくどくと脈打ち、奥に熱いものが注がれた。その熱に、見悶えする快感を覚える。光希の内腿も震え、少量の精液が、だらだらと零れていく。。頭の中が、墜落するような、浮遊するようなふわふわとした快楽でいっぱいになる。
「あっ、やっ、も、イっちゃった……」
「俺も。ゴム付け忘れたから外で出すつもりだったのに」
シーツを被ったままで、二人ベッドにごろりと横になる。
「想像以上に熱烈な言葉が来たから、驚いてさ」
「んっ……」
そのまま、軽いキスをされた。
「あと、独り占めできるもっと簡単な方法があるんだけど」
「うん……知ってる……」
光希はまだふわふわとぶっ飛び続ける頭の中で、透を独り占めする方法を考える。簡単じゃないか。今こうして、一番近くにいるんだから。
「こうすれば、独り占め……だから……」
彼の身体に腕を回し、ぎゅっと抱きつく。これなら、彼は自分から逃げられないだろう。眠気に襲われ、ゆっくり瞼を落としながらそう思った。
「そうじゃないけど……まあ、これはこれでいいか」
眠りに落ちる前、透も光希を抱き返してくれた。快楽とはまた別の、柔らかな温もりに包まれ、そっと瞼を閉じた。
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