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第4話

アレクサンドルの事を知り、俺の中で止まっていた時間が動きだした。 朝、馬の世話を終えた俺は、久しぶりに馬に乗った。 最初は少し感覚を忘れていたが、乗っているうちに徐々にその感覚を取り戻していった。 「ミハイール先生ーっ!!」 すると、そこにアレクサンドルが馬に乗ってやって来た。 「先生が騎乗されてるって聞いて来ちゃいました!!」 満面の笑みを浮かべているアレクサンドル。 「お前、朝の実技はどうした?もうすぐ時間だろう」 「はいっ!だからもう行きますけど、先生が騎乗されてる姿が見たかったんです!!」 朝日を浴びて光り輝く栗色の髪。 その瞳は今日も美しい青を俺に見せてくれた。 「先生、夕方の世話の後、一緒に乗りたいです」 「……分かった。厩務員には俺から話しておく」 俺はそう答えてしまっていた。 「やった!ありがとうございます!!じゃあまた!!」 あんなに嬉しそうにされると、悪い気はしない。 が、自分の心の変化に自分自身が驚いた。 俺は、あの少年に惹かれている。 あの青い瞳にずっと見つめられたいと思い始めている。 彼は年下であり、生徒であるというのに。

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