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第6話

それからも、アレクサンドルは俺の事を慕い続けてくれた。 毎日厩舎で会い、一緒に馬の世話をしたりして過ごし、その全てが俺にとって大切な時間だと感じていた。 彼の傍にいたい。 俺はその想いから、騎士団への復帰を志願していた。 「騎士団復帰の話、本当か?ミーシャ」 俺が団長を辞めた後に団長になっていた先輩騎士のアリェークがわざわざ学校に足を運び、俺に会いに来てくれた。 「はい。ここにいて候補生たちに指導しているうちにもう一度戦場に行きたいと思うようになりました」 「そうか。今回の首席卒業生はお前と同じくらい優秀だという話がこっちまで伝わって来てるぞ。お前も一目置いていたらしいな」 「……えぇ、そうですね……」 それは、アレクサンドルの事だった。 入学からずっと、候補生の中で飛び抜けた存在だったアレクサンドルは、そのまま学校を首席で卒業する事が決まっていた。 「で、どうなんだ?その卒業生は」 「俺の主観ですが、彼は技術の高さは勿論ですが、馬を第1に考え行動出来る男だと思います」 「……あぁ、お前は馬優先主義だったっけ。そういう奴なのか……」 アリェークの表情が曇る。 彼は俺とは違い、馬は使い捨ての存在だと考えているところがあった。 「戦場で馬が死んでしまう事は致し方のない事だろう。それよりも自分がいかに生き延びるかを考えて行動しなければいつか大変な事になる……と俺は思うんだがな……」 「……そうですね……」 事を荒立てたくない。 俺は自分とは考えが異なる彼の言葉を聞き流していた。

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