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第8話

学校の教官用の宿舎から団員の宿舎に移った俺と、生徒用の宿舎から俺の隣の棟の宿舎に移ったアレクサンドル。 俺たちは厩舎で落ち合い、一緒に馬の世話をしていた。 入団式では代表として国王陛下に宣誓をした彼はその技術は勿論、愛らしい容姿と明るい性格ですぐに周囲から注目される存在になっていった。 分隊長という任を与えられた俺の下に配属され、学校時代と変わらず俺を慕ってくれているアレクサンドルの気持ちが嬉しくはあったが、同時に自分の気持ちを伝える事など出来ないと思うようになった。 アレクサンドルと共に戦場に赴き、戦果を挙げる度に騎士の中からアレクサンドルとの関係を問いただされる事が増えていったが、俺は決して自分の想いを口にする事はなかった。 アレクサンドルも何人もの騎士に言い寄られていた様だったが、その度に騎士としての務めを全うする事しか考えていない、と言って断っている話を耳にし、俺も同じように断られるのだろうと思い、それならば今の良好な関係のままいる方がずっと幸せだと思い日々を過ごしてきた。 そうして、7年という歳月が過ぎていた。

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