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第21話

朝日が登る頃、俺の隊が城内に進入し、城内の兵士及び将軍を捕らえる事に成功した。 その者たちを連行している最中の事だった。 「このままで済むと思うなよ……」 そう言って、兵士のひとりが隠し持っていたと思われる銃を発砲した。 「!!」 その弾丸で馬が痛みを訴えるように嘶く声が聞こえ、俺の前を行く隊……アレクサンドルの隊の馬が倒れ、騎士がひとり落馬したのが見えた。 「サーシャさん!!」 イヴジェーニらしい悲痛な叫び声が聞こえてくる。 ……まさか……先程落馬していたのは……。 俺は感情のまま、銃を発砲した者を斬り捨てると馬を走らせた。 「アレクサンドル!!」 路上に倒れている馬と、それに寄り添うように倒れている騎士。 その横に、下馬して寄り添う騎士がいた。 馬も、倒れている騎士もぴくりとも動かない。 馬は脚を撃たれ、躓いた時に頚部が折れたのか、即死状態だった。 「あ……あぁ……サーシャさん……」 兜から目を覗かせているイヴジェーニは身体をガタガタと震わせ、倒れている騎士に触れようとしていたがパニックを起こしているのか触れられずにいた。 「…………」 俺はそんなイヴジェーニを押し退け、動かなくなった最愛の人の身体を抱き締める。 「サーシャ……」 兜も鎧も脱がせ、鼓動を確認する。 眠るように目を閉じているアレクサンドルの身体は温かく、辛うじて息はあったものの、頭を強く打っている様だった。 即席の担架を作らせてなんとか本拠地まで運び、軍医の元まで連れていく事が出来たが、アレクサンドルの意識が戻る可能性は低く、戻ったとしても何らかの落馬の後遺症が残るという事だった。

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