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第23話

アレクサンドルが意識を取り戻したのは、それから3週間後の事だった。 「サーシャさん!!」 抱きついて泣き叫ぶイヴジェーニ。 これまで何度となく死を選ぼうとした彼をその度に説得し、ようやくこの瞬間が訪れた。 「……ミーシャ……」 その青く大きな瞳は真っ直ぐに俺を見つめている。 「アレクサンドル、無事で良かった……」 今すぐにその身体を抱き締めたい、そう思ったが、俺はイヴジェーニの気が済むのを待った。 「ううん、オレ、もう生きていけない……」 俺の言葉に首を振り、涙を流すアレクサンドル。 「……何を言って……」 「お願い、ひとりにして!!」 初めて見せる、酷く取り乱した姿。 軍医から意識を取り戻したばかりで錯乱状態にあると言われ、それから俺もイヴジェーニもアレクサンドルと会えなくなってしまった。 アレクサンドルが意識を取り戻したという情報は国王陛下の元にも届き、後は軍医に任せて帰還するようにとの指示が来た俺は、同じように指示を受けたイヴジェーニと共にアレクサンドルに会えないまま、泣く泣く帰国した。

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