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残酷絵巻、はじまりはじまり1
「・・・そんな顔するな」
僕はうめくように組み敷いたガキに言う。
ガキの顔に嫌悪があるのが、ただでさえ、あるかないかの僕のブレーキを壊してしまう。
僕にそんな顔を向けてはいけないんだ。
コイツは。
クールに取り澄ました顔を、今日もぐちゃぐちゃにしてやろう。
「こんな僕は嫌いか?」
分かっているのに聞く。
これは仕方ない仕方ないと思っているのに、聞かずにはいられない。
「・・・こんなあんたは、好きじゃな・・」
それでも気丈に言おうとしたガキの唇を塞ぐ。
そんな言葉は聞きたくない。
言わせようとしたのは僕だが聞きたくないのも僕だ。
ガキをとろかすにはキス一つでいい。
僕がこのガキが気に入った理由の一つがこれだ。
このガキは、バラバラになった死体の隣りででも、淫らに乱れられる、とんでもない淫乱だ。
ほら、舌に応え始める。
夢中になって、僕の舌を欲しがり、唾液を飲み込む。
可愛い可愛い、淫乱だ。
ガキの斜め上には、恨めしげにあの変態の顔があり、ガキを首だけになって見ているのに。
僕は血塗れの手でガキの胸を撫で、その血に染める。
もう、すっかりセックスのための場所になった乳首を摘まんでやれば 、身体を震わせ、口の中に声をこぼす。
「言えよ、僕が嫌いか?」
唇を離し、乳首を弄りながらまた尋ねる。
ガキは乳首だけでイける程、ここが大好きだ。
「・・・あ あっ、・・・はぁ・・・今のあんたは・・好きじゃな・・」
ガキは悶えながら、でも、僕が聞きたくないことを言おうとしたから、僕は舌打ちして乳首を噛んで黙らせた。
「ああっ!」
ガキは言葉の代わりに叫んで身体をそらせた。
乳首は塗りたくった血の味がした。
僕が殺した変態の血だ。
あんな変態の血でも、殺してしまえば血の味も良いものに思えた。
殺したさ。
殺した。
それだけのことなのに。
ガキと僕はここだけは分かり合えない。
「・・・ちゃんと、悪者しか殺してないだろ」
僕はガキに苛立ちを感じてしまう。
コイツのためにこの僕が。この僕が。
色々我慢していると言うのに。
僕だって好みの男を殺したい。
善人悪人関係なく。
それを我慢してるのはガキのためだ。
コイツが悪者じゃないと殺すことを我慢できないからだ。
「わかってる・ ・・だから、だから俺だって」
ガキは叫ぶ。
「・・・我慢してくれてるわけね」
声に怒りが混じるのは仕方ない。
ただでさえ、殺した後は、感情も性欲もコントロールが効かない。
「じゃあ、ここから僕にされることも我慢しろ」
冷えた声が出た。
優しく抱いてやりたいのに、もう、むりだ。
コイツに拒否されるのだけは・・・嫌なんだ。
ガキの髪をつかんで引き起こした。
「・・・我慢が得意なんだろ」
無理やり、ガキの口の中に突っ込んだ。
ガキはうめいた。
「・・・歯をたてたらだめだよ」
僕はそれでもガキの髪を撫で優しく囁く。
思い切り、構わずに深く突く。
喉の奥を犯した。
苦しげなガキの顔に興奮した。
いい気味だと思った。
気持ち良かった。
ガキの身体はこんなところまで気持ち良くて、すぐにイキそうになった。
僕がこんなにこんなにこんなに。
何で僕が、こんなガキの言いなりに・・・。
ガキは苦しげで、何故か僕もそれに苦しさを感じていたけれど、無視した。
気持ち良かった。
どうせガキは何をしても死なない。
喉の一番奥で放ってやった。
ガキがえづいた。
むせた。
それでも、ちゃんと飲んだので満足した。
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