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潜入5

 殺人現場で死体を犯しているこの人を見て、「抱きたい」と思った。  自分でもどうかしてると思う。  でも、一目惚れだった。  死ぬか「穴」になるか選ばされたけれど、この人に触れられると思ったことは「穴」になることを選んだ理由の中でも大きかった。   抱かれる方だとしても。  「お前は抱けそうにない無理目の男が好みなんだよ」とこの人は言う。     多分それは間違ってない。    今まで欲情していたのは、絶対ゲイを認めないような友人達だった。  この人はゲイでも、絶対に抱かれるの嫌がるタイプだし。    でも、抱かれてもいいからそばにいたいと思ったのは、いつかのチャンスを待つことにしたのは、土下座でもなんでもしてお願いしてるのは、あんただからだ。  殺人癖があることも、どうしようもなく残酷なことも、卑劣で卑怯なことも、知っていて、そばにいるのはあんただからだ。  俺は俺のプライドや善悪の基準すら曲げてあんたのそばにいる。  ガキだからってあんたは本気にしないけど、俺は確かにまだガキだけど。  「好きなんだ・・・あんたが・・・」  俺は囁き、自分の指を舐めた。  あの人が眉をひそめた。  俺はあの人の後ろの穴に指をあてた。    「おい!それはいいって言ってない」  あの人が慌てた。  俺は構わず、入れた。  そこはキツくて。  ここにはまだ誰も入ってないんだと思ったらたまらなかった。  「おい、抜けって!」    あの人が怒るけれど、指を動かす。   指だろうが何だろうが、この人の中に入っているのは俺だ。  興奮した。  そこを探す。    俺が散々擦られているところだ。   「お前、いい加減・・・」  あの人が言いかけた言葉を続けられなかった。  あの人の身体が反った。  俺が見つけて擦ったからだ。  初めて擦られたら、その刺激に耐えられない。  出したばかりのあの人のモノが勃ちあがっていた。     「・・・気持ちいい?」  俺は囁く。  あの人はヒクヒクと身体を震わせていた。  ヤバい。  俺、見てるだけで出そうだ。  俺はあの人そこに指を入れたまま、あの人を抱き寄せた。   俺の肌に触れて。  俺を感じてイって欲しかった。  あの人はもう拒否しない。  震えながら俺の指を受け入れている。  指をかき混ぜる。  「あっ・・」  あの人が声を上げる。    「好き・・・あんただけだ。あんただけが好きだ・・・」    俺は囁く。  俺はあの人の唇を貪る。   舌を入れる。     あの人の中に少しでも入りたい。  あの人は俺の舌に応えた。   指をふやした  そしてまた擦る。  あの人の背中が反った。  俺の背に爪をあの人が立てた。  中で指を擦りたてた。  唇を離す。  あの人の声が聞きたくて。  あの人の顔がみたくて。   覗き込む。  「・・・この・・っバカ、見るな!ああっ!」  あの人が叫んだ。  真っ赤な顔が、快感にゆがんでいた。  可愛い。    可愛い可愛い可愛い可愛い。   顔を撫でる。  背けようとする顔を逃がさない。  「・・・見せて、顔見せて・・・」    俺は囁く。  あの人がこんな顔をする。  頭がおかしくなりそうだった。  ダメだ。出そうだ。  「好きだ。好きだ」  名前を呼びたい。   でもこの人には名前がなかった。  だから俺は「好きだ」と叫び続けた。   指を動かす。   あの人は、喘ぎ、身体を震わせて、声をあげた。  俺が舐めて尖らせた乳首を唾液で光らせ、俺がつけた痕を喉に残して 、白い身体が淫らに蠢いた。  俺に感じている印の、勃ちあがつたモノからだらだらといやらしい汁がこぼれている。  指を穴が締め付ける。  ダメだ、見てるだけで出る。  こんなのいやらし過ぎる。  「ああっ!」    あの人は射精した。  俺の指でイった。  それがこんなにうれしいなんて想わなかった。  でも、情けないことに、情けないことに。  俺もイってしまった・・・。  見てるだけで。      

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