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選択1
「好きだ」
性急に口付けられる。
僕はその唇を受け入れる。
優しいキスだ。
胸が痛くなるような。
ベッドに押し倒される。
いや、・・・押し倒されてやる。
どうかしてる。
本当にどうかしてる。僕は。
ガキが僕のシャツを脱がすのを大人しく受け入れながら思う。
ガキの舌が僕の乳首を舐める舌づかいに、喘いでしまいながら思う。
どうかしてる。
甘く噛まれて声をあげる
「あっ・・・」
僕の押し殺した声にガキの目が歓喜に輝く。
そんなに僕が感じるのが嬉しいのか。
ガキと部屋に帰ってくるまで、口一つ聞かなかった。
ガキは帰りの車の中でも、僕から目を離そうとしなかった。
欲しがられているのはずっとわかっていた。
それは多分、初めてガキを抱いた日から。
抱かれてでもいいから、僕に触れたいのか。
そう思えるのは快感だったし、ガキを可愛いと思う気持ちに拍車をかけた。
でも、応えてやるつもりはなかった。
ガキは可愛い。
だから僕が抱いて可愛がってやる。
それは今でも変わらない。
でも、思った。
コイツが僕の元に帰ってきてくれたのが、僕の身体への執着からなのなら、ちょっとくらい・・・。 触らしてやってもいい。
・・・もう帰って来ないかもしれないと思ったから。
ガキを無理矢理僕のものにした。
「殺されるか、僕の穴になるか」
そう迫って。
快楽を教え込んで、優しくして、逃げないようにした。
酷いことをしてる。
ガキは本当に普通の人間で。
知れば知るほど、甘くて優しい普通の人間で。
僕なんかと一緒にいるような人間じゃなかった。
血や叫びや暴力とは無縁の世界で生きるはずだった。
僕の隣りにいるはずなんかない人間だった。
胸をガキが音をたてて吸う。
甘い感覚。
声なんか出したくないのに、声が零れる。
「ふっ・・・ああっ」
吸いながら噛んだり、舌で転がされたりして、優しく愛撫される。
優しい。
ガキの指も舌も、本当に優しい。
気持ちいい、
思わずその頭を抱き締めて、髪に指をいれてかき乱してしまう。
僕のモノはもう勃ちあがってしまっていた。
僕がガキの愛撫で感じていることで、ガキが何か言ったらすぐ終わらせてやると思った。
ガキは賢かった。
勃ちあがり、ダラダラといやらしい汁を垂らし始めたそれを、嬉しそうに見て微笑んだだけだった。
また、乳首を執拗に唇で貪る。
軽く何度も吸い上げられ、噛まれた。
「・・・ああっ」
身体が反る。
そんなにされたら、胸だけでイってしまう。
そんなのは嫌だ。
僕はガキにはそうするけど、されるのは嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
ガキがそれを察したように、手で前をしごき始めた。
ホッとする。
ら
「・・・優しくするから、ちゃんと逃げ場もつくってあげるから、もう少しさせて・・・」
扱かれながら耳もとで囁かれた。
僕は自分の顔が赤くなるのが分かる。
気持ちを読まれている。
何も言わずに、その手が与える気持ち良さを味わう。
胸に繰り返されるキスや、噛まれる甘さも加わり、僕は優しく甘く溶けていく。
こんなセックスは知らない。
もっと貪るようなものだった。
僕の知ってるセックスは。
潜入させたのは僕だ。
だけど、その後怖くなった。
相手はこの世界で貪られ捨てられた奴らを集めていた。
もし、ガキが助けを求めたら?
ガキは僕に貪られ、国に見捨てられて僕の側にいた。
ガキの身体目当てに僕がそうした。
だから、あいつが助けたい人間のタイプにはガキは充分あてはまった。
ガキから家族や友人を取り上げた。
不死の運命を押し付けた。
僕のワガママでいつも振り回している。
だから、あいつに助けを求めてもおかしくなかった。
ガキが僕に惚れているのが唯一 帰ってくる理由で。
でもそんなの、カリスマだかなんだか知らないが救世主気取りのガキに惚れてしまえば終わってしまうような理由で。
怖かった。
怖くなった。
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