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選択2
「ああっ」
僕はガキの手の中で果てた。
いつもの射精とは違う、どこかへ連れて行かれるような快感。
ガキにしがみつき、身体を震わす。
「あんた可愛い・・・好きだ」
ガキが押し殺したように呻いた。
ガキは嬉しそうだった。
手に出されたそれをペロリと舐められた。
「・・・もう少しだけ、触らせて」
そう言いながら、ベッドサイドのローションをガキが掴むのが見えた。
僕がガキに使っているヤツだ。
僕は何も言わない、考えない。
ガキが帰ってきてくれたのが、この身体への未練からなら、もう少し、もう少しくらい触らせてもいい。
僕は自分に言い聞かす。
それにガキは優しくて 、正直、もう少しだけ優しさに身体を委ねてみたかった。
人に委ねるセックスなんてしたことなかったのに。
僕は返事はしなかった。
それを了承としたガキは僕の身体をひっくり返した。
ローションをたらされると思ったら、尻を割広げ、ガキがそこに顔をうずめてきた。
舌がそこを舐めている。
襞を丹念に執拗に。
「・・・こんなとこまであんたは綺麗だ」
興奮でかすれた声がする。
舌が舐める感覚に慣れない。
人に与えられる快感になれない、
「・・・ふぅ。はっ」
耐えるように声を出す。
こんな声にも慣れない。
散々舐められた。
喘ぐ、シーツを掴んで耐える。
こんなのは違う。違う。
「もう、やめ」
言いかけたら、前を扱かれ、その気持ちよさにごまかされる。
ローションがたらされ、指を入れられるまでその流れに気づかなかった。
指を受け入れてしまっていた。
また後ろだけででイカされると怯えたけど、ガキは前も触ってくれたので、安心した。
後ろでいくら感じても、これで言い訳になる・・・。
「 あんたのややこしいとこが、可愛いなんてもう」
ガキがため息をついた。
「好き。好きだから、もう少しだけ、お願い・・・」
指は優しく僕の中を弄る。
見つけ出したそこを、優しく優しく刺激される。 優しいけれど的確な指は、鮮烈な快感を僕に与える。
「ああっ」
僕が背をそらし叫ぶ。
でも、うつ伏せにされているから、顔が見られないのは良かった。
と思ったらひっくり返された。
「顔見せて・・・」
囁かれた。
そのまま、穴を弄られる。
思わず喘ぐ。
背けようとする顔を顎を掴んでのぞき込まれる。
「・・・やらしい顔」
ガキがうっとりと言う。
10も下のガキに組み敷かれてるのに腹が立ってきた。
「ダメ、怒らないで」
囁かれ、キスで宥められる。
「あんただけ、あんただけが好きだ」
そんな言葉と優しいキスだけで、宥められてしまう自分が本当にどうかしてると思う。
でも、嬉しかった。
あの時、まっすぐに僕に向かって走ってくるガキが。
帰って来なければ、殺そうと思っていた。
殺したくなんかなかった。
でも、僕から離れるなんて許せなくて。
殺したくないけれど、きっと裏切られたら殺した。
出来るだけ苦しめず、優しく、それでもきっと。
帰って来てくれと願った。
殺したくないんだ。
心がさけんでいた。
だから、だから、どれくらいガキに抱き締められた時、安心したか。
殺さなくてすんで。
そして、思った。
僕はコイツが・・・。
でもそれは言えない言葉だった。
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