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前夜11
「・・・お前は今日は繋いでおく。今日だけだ」
あの人が優しい声で言った。
「お前には耐えられないだろ?だから全部終わるまで今日はここにいるんだ」
明け方まで、俺を貪り続けた人が言う。
「・・・僕を恨んでいいから 。さすがに僕を嫌いになってもいいから。でも・・・離さない」
泣きそうな声に、どうして、と思う。
何故、俺があんたを嫌うんだ。
「・・・せめて、全部終わるまでお前はここにいて」
あの人の唇が優しく唇に触れ、離れた。
甘く、優しい。
髪が撫でられ、名残惜しそうに離れていく。
「僕がお前が望むようなモノになれたらいいのにな・・・僕を好きなことももっと楽だろうに。僕を
好きなことでお前は苦しむんだろうな」
そんなになんで悲しそうなんだ。
「 」
呼ばれる名前が甘い。
あの人なりの「好き」の代わりの言葉。
ドアが閉まる音がする。
あの人が行った。
どこへ・・・?
俺は飛び起きた。
繋がれたままだ。
理解した。
あの人は、「植物人間」達や金髪のあの人やあの男を殺しに行ったんだ。
スーツから決定の通知がきてたんだ。
だから、拘束プレイとかいって俺をつないで・・・。
やられた。
最初からこのつもりだったんだ。
あんのバカ!
俺はあの人に邪魔させないように繋がれ閉じ込められてしまったのだ。
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