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V,S 3
「オレはこれからも助けるために殺すし、オレらを殺そうとする奴らは殺す。巻き添えで誰かを殺してまうかもしれん。オレらは呪いみたいなもんや。お前らの世界が生んだ災いや。オレが殺すか殺さへんかはお前ら次第や」
アイツは続ける。
弱い踏みつぶされる生き物であるよりは、強い呪いである方がいい。
賛同者は現れる。
特に匿名であるネットの世界でならば、強い呪いは拡散される。
正義や優しさを語るよりも、こちらの方がいい。
そして、この呪いは一番必要としている人間に届くはずだ。
「そちらで殺されているヤツはこちらに来い。助けたる」
アイツが呪いを放つ。
オレのような。
妹のような。
祈りも願いも救いも届かない場所にいる者にも、この呪いは届くだろう。
「オレらはここにいる。そして、お前らが殺しに来るなら殺す」
そして不意に柔らかく笑った。
「お前らが望むなら、こんな世界壊してやってもええで?・・・全部お前ら次第や」
破滅願望。
破壊願望。
どれだけそれを持っている人間はいるのだろう。
それらの本能に訴えかける。
確かに呪いだ。
そんなモノを必要としない世界ならば、コイツの言葉は何の力もないだろう。
でも、破滅を望んでしまっている人間が多い世界ならば、この言葉は力を持つだろう。
ボク達はこの世界の呪いとして存在する。
助けてやる、そんな言葉も助けるものを必要しなければその言葉には何の力もないだろう。
コイツの言葉や存続が力を持つとしたらそれは、この世界が与えた力だ。
間違いなくこの世界が生み出した呪いとしてコイツは存在している。
予定とは違った。
ただ、秘密裏に消されることをおそれただけだ。
ボク達の存在を表に出すだけで良かった。
少しばかり同調者ができればいい位の気持ちだった。
でも今ボク達は単なる犯罪者の集団から、この世界の呪いになった。
これでいい。
コイツはネットに呪いを放った。
この呪いは拡散されて、ゆっくりとその毒はきいていくだろう。
これでいい。
予定とは違ったけれど。
「ほんなら、この次どうする?エロい話でもする?誰か聞きたい?それともなんかおもろい話しよか?」
アイツがアホなことを言い始めたので、慌てて中継を切った。
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