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V.S 5
「連中を灰にして確保するつもりか」
男は笑う。
捕食者は灰からでも再生する。
だから、灰にして確保し、再生しないように永遠に燃やし続けるしかない。
最後の手段だ。
「人間以外の種を作り出す捕食者は、あまりにも危険だと、上は判断した」
それが正しいか正しくないかなど、私には関係ない。
「正しい判断だ」
男は言いきる。
「人間より、強く、強靭で、しかも人間を憎んでいる種だ。滅ぼすしかないだろう。でなければ、いずれ、人間が滅ぼされるに決まっている」
男の言うことには説得力がある。
でも気になるのは何故男が人間の側にいるか、だ。
この男が人間に協力しているのは大金と、それなりの自由のためかと最初は思っていたが、だんだん割りに合わない仕事が増えてきた。
逃げてもおかしくないし、この男ならば我々からも逃げられる。
「・・・なんだよ」
見つめすぎてしまったらしい。
私は慌てて目をそらす。
この男は危険なのだ。
「・・・正義の味方だからな、僕は」
意外にも男はふわりと笑った。
不似合いな言葉を男は本気で言っていた。
「正義、ねぇ」
私には無縁の言葉だ。
私は命令に従うだけだ。
それが正しいか正しくないかさえ関係ない。
だから男には「犬」と呼ばれているのだ。
「正義だよ。僕は正義を遂行する」
男は真剣にいった。
男の正義とは何なのか。
それは気になった。
「後一つ、お前に決断して欲しいことがある」
珍しく、男が私に意見を求めた。
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