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V.S 7
マンホールの蓋を外す。
私が選抜したメンバー二人と男は、ヤツらの陣地まで行く。
「先に行け。相手は武装しているが、一人以外は素人だ。手足が伸びてくることがあるらしいが、冷静に対象すれば問題ない。相手との距離があるからと安心するな」
男が指示をだす。
部下達は頷く。
私の部下はこれからは男の指示の下に入る。
私は部下に何て言葉をかければいいのかわからなかった。
男に言われて、私が選んだ。
敵よりも恐ろしい男についていかせるのだ。
「大丈夫ですよ、室長」
「無事戻ってきます」
部下達は笑った。
私は何も言えなかった。
「・・・行くぞ」
男が言った。
男だけは部下達と違うものを担いでいた。
「ガソリンの携帯缶?」
私は眉をひそめた。
「あいつら燃やすんだからいるだろ」
男は笑った。
私は黙った。
部下達は先に降りていく。
「僕が降りたら、マンホールの蓋をしめろ」
男は言った。
そして、ニヤリと笑った。
「僕はお前の『犬』なところ、キライじゃないんだよね、意外かもしれなけど」
「私はお前には反吐がでる」
私は心の底から言った。
「そいつはいい」
男は面白そうに笑った。
そして、降りていった。
私は男に言われたようにマンホールの蓋をしめた。
作戦はもう始まってしまったのだ。
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