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V.S 36
「アイツらを倒すのはまた次でもええんや」
ボクは作戦を組み直す。
「日にちが過ぎれば過ぎるほど、あんたは有名になり、殺しにくくなるんやから、あの捕食者を倒すのはまた今度にしよう」
ボクの言葉にアイツは顔をしかめる。
「仲間ころされて尻尾巻いて逃げるんか」
アイツ的には許せないだろう。
「また会うやろ。その時に殺そ。それに何より、他の捕食者に逢ってみたいとおもわへん?」
ボク達の仲間は人間じゃないから、捕食者達はボク達といれば、理性を失いにくい。
仲間に出来る可能性もある。
他の捕食者を仲間にできれば、また違う戦略がたてられる。
「面白そうやけどな」
アイツは言った。
「アイツらはマンホールしかボクらの出口はないて思ってる。アイツらを襲うふりして逃げよう」
ボクは脱出計画を話しはじめた、その時だった。
女の子が悲鳴をあげた。
ボクは驚く。
しばらく眠ったままだと思っていたからだ。
「アイツら、あの子達を燃やしてる!」
女の子が絶叫した。
あの子達・・・。
ボクとアイツは顔を見合わせた。
まさか!!
外を見る。
煙が上がっていた。
モノの焼ける臭いがした。
アイツが走っていく。
ボクは躊躇した。
女の子とじいさんを隠さないと。
同じことになる。
アイツは止まらない。
しまった。
この時点てボクとアイツを分断することに敵は成功していた。
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