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V.S 39
「たった一人で、お供も連れずやってきたのか」
僕は金髪に笑顔で話しかけた。
金髪は燃え落ちた樹を見て絶望したような目をした。
「・・・思ってた?罪もなく害のないコイツらには、僕達が手を出したりはしないだろうって。ああ、思っていたんだな、その顔にはそう書いてある」
僕は楽しい気持ちを抑えきれない。
結局のところ、甘ちゃんなんだよ。
多分、僕が殺した連中はお互い様みたいなところがあるけど、コイツらは違うからだろう。
お前達が人間ではない以上、非武装とか、無抵抗とか関係ないから。
コイツらが人間だったなら、僕もここまでしなかっただろう。
一応正義の味方だからな。
コイツらは、お前が救いきれなかった奴らだ。
「可哀相にお前に関わったばかりに、燃やされて」
僕の言葉に金髪が震えた。
「殲滅だよ。お前ら一人も、生かしておかない。人間に成り代わることなど、絶対に許さない」
僕は言った。
「人間やないくせに」
金髪が言った。
僕は微笑む。
その通り。
僕は人間ではない。
でも。
「僕はね、正義の味方なんだ」
だから。
「お前を退治する」
僕は言った。
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