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V.S 48

 ガキは銃を構えた。  そして躊躇する。  何故だ、まだコイツに・・・。  嫉妬に焼かれそうになって気付く。  しまった。  ガキは殺し慣れていない  ガキは頭をバットで割られて、それをやり返して一人ヤクザを殺したことがあるだけだ。  自衛のような反射的な殺ししかしたことがない。  僕のサポートはしてきても、まだ自分から殺したことなどなかった。    ガキは・・・僕とは違って躊躇いなく殺せるようなやつじゃなかった。  何度か繰り返せば殺しだって慣れるんだが・・・。  でも、殺しはガキの心を傷つけるだろう。  自分が殺したわけでもないのに、葉っぱ人間達が死んだことに罪悪感を持つようなヤツだ。  でも、撃て。  お前に傷はつけたくないと僕だって、本当は思ってる。  でも撃て。   殺すんだ。  僕の正義は血塗られているから。  ガキが金髪の目を真っ直ぐに見つめていた。  「あんたを殺さないとあの人が死ぬ!」  ガキが叫んだ。     「それがお前の正義やねんね」  場違いな程優しい声で金髪は言った。  ガキは引き金の指先に力を入れた。     泣きながら、でも殺意が漲る。  迷いはない。  僕のために殺す。  僕のために。  歓喜と、痛み。    意外だった。  痛みの方が強かった。  また僕はコイツを傷付ける。  それが痛い。  そして引き金を引いたのは、一一犬だった。    隠れていた場所から走り出てきていたのだ。    「狙いが甘い」  犬はガキの手の上から銃を握り、引き金を引いた。    銃声が響いた。

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