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記憶19

 それは突然起こった。  それまでも、突然わけもなく破壊的な衝撃がわきあがったり、  アイツをむちゃくちゃにする白昼夢を見たりすることはあった。  人間を壊したいのだ。  身体を千切り、破壊しつくしたいのだ。    人の手足を引きちぎりたかった。  身体を穴だらけにしたかった。  でもそんな欲求は一瞬だから、たんなる苛立ちみたいなものかと思って気にしてなかった。  問題は白昼夢の方だった。    白昼夢はアイツに対しては性的な欲求もあるのか、アイツを食いちぎりながら犯すようなものだった。  柔らかな弾力のある肩に歯を立てて、アイツのモノをしごきながら食いちぎる。  アイツの穴が悲鳴の度に締め付けるのが気持ちよかった。  アイツが悲鳴をあげながら射精する姿に恍惚となった。    引きちぎった首に咥えさせ、その首を犯した。  その中はまだ温かく気持ちよかった。  白昼夢とは思えない生々しさだった。  その白昼夢が終わった後も、その淫らさに惹かれてしまうことが恐ろしかった。  「動物みたいな気分になるのは普通のことやし、何、お前SMしたいん?・・・考えてみてもええで。」  性に貪欲なアイツに相談してもイマイチ相談にならなかった。  むしろ、面白がって縛ってやったりすることを要求される始末だった。   「噛んでもええで・・・痛くして」  囁かれてしまって。  いや、それはそれで。  ボクもまあ、盛り上がってしまったの事実なんだけれど。  アイツが全然気にしないおかげで、その怖さから逃がれたのも事実だ。  だから、その日までそれほど気にはしていなかった。  その白昼夢の淫らに心を乱されるだけで。

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