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王国の終焉3

 「見ろ、見るんだ!」  犬が叫ぶ。  うるさい。  もうどうでもいい・・・。  「良いから見ろ!」  犬が怒鳴る。  誰相手に怒鳴ってる。  ゆらりとした怒りが立ち上る。  今は男より犬を殺したかった。  死にたがっているヤツを殺してもご褒美でしかない。  犬でも刻むか。  僕は立ち上がった。  そして、犬が指差すものを見た。  ガキの首が胴体と繋がろうと触手を伸ばしていた。  再生している。  そんな!!    男が驚いたように言った。  「そんなアホな。僕のタイミングは完璧やった!」  そう完璧だった。  だから僕も切り落とされたと思っていた。  そう、あのタイミングは完璧だった。  ガキも何が起こったかわからなかったはずた。  でも、何かがタイミングを狂わせていたのだ。  首は完全に切り離されてはいなかったのだ。  何かのせいで。  何かがあった。  そして、完全に切り離されてさえいなければ、従属者は再生する。  おそらく皮一枚、筋一本、そんなもので繋がっていたのだ。  ガキの首は!!  僕は歓喜した。  ガキは生き返る!!    「撃て!」  犬が叫んだ    今回ばかりはお前の命令を聞いてやる。      「ご褒美だ。あのビッチのところに行けよ」   僕は言った     男はとても美しく微笑んだ。  僕は男のその綺麗な顔面を打ち抜いた。  男の顔は消滅した  それはアイツらの造った王国の終焉だった。

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