144 / 151

王国の終焉6

 女の子とおじいさんを土の上に横たえてから、歩き出した。  また様子は見にくるし、どこかに植え替えてもいい。  ふと顔を上げると、あの人が立っていた。  俺は笑いかけようとした。  上手く笑えなかった。  あの人は怒ったような顔だ。  俺は走ってあの人を抱きしめた。  あの人の肩口に顔をうずめた。  「捕食者は消滅した・・・抱かせろ」  あの人が言った。  そういうわりには、俺に自分からは触れようとしない。  でも、触れたがっているのは分かった。  また、何か拗らせてるな。  この人は本当に面倒くさい。  「いいよ」  俺は囁いた。  そう言いながら、あの人の首筋にキスを落とした。  あの人が少し震えたのが良かった。  俺のキスに感じる?  でも、あんたを抱くのは今度でいい。  あんたがそうしたくなるまでは待つ。  たまに少しずつ主張はしていくけど。  慣らしていくけど。  「僕に抱かれるの嫌か?」  あの人が小さな声で言う。  「・・・僕があの金髪みたいだったら嬉しかったか?」  それか。  今回の拗らせポイントはそこか。  「あんたに抱かれるのは嫌じゃないし、あんただから抱かれてる」    俺の恋人はややこしい。  そして、可愛い。  俺は言い聞かせる。  「あんたは俺の恋人だろ。だから俺に何してもいい」  あの人は身体を震わせた。  本当に可愛い。    さすがに2人ともドロドロだったし、汚れきっていた。  家でシャワーを浴びてから、もしくは一緒にシャワーを浴びながらなどと言う真っ当な俺の意見など、外道な俺の恋人に通じるわけがなかった。  外だけは嫌だと主張して、団地の空き部屋の一つでズボンだけ下ろされていた。  「おさまらない・・穴に入れて出せればいい。とりあえず」  とまぁ、また穴扱いされているわけで。  でも、散々な目にあい、酷いストレスの下いたあの人がこうすることでしかおさまらないのと言うのなら、まあ、いいかと思ってしまう。  それに、俺もしたくないわけではない。  あの人に入れたいけど、あの人に入れられるのはそれはそれで気持ちいいことは、毎日思い知らされている。        壁に手をつき、尻を突き出されている。  早急に慣らされ、待ち斬れないように挿入されるのは・・・嫌じゃなかった。  必死なあの人が可愛いから。  「お前の中はいい」  あの人がかすれたような声を上げる。   せめて最初位はゆっくり動いて欲しかったのに、むさぼるように動かれる。  でも、その擦る場所は正確で。   「あっ・・・いい」  俺は声を殺せない。  この人に全部教え込まれた。  丁寧に丁寧に。  入り口あたりで穴を広げられるように擦られるのも、前立腺があるところを、硬くなったモノで擦られる快感も。  奥でズブズブにされるこの感触も。  「気持ちいい・・・あっ、いい」  気持ち良ければそれを、言葉にすることも。  全部教え込まれた。  キスから、あの人を咥えるやり方まで。  あの人好みに教え込まれた。  どこがどう気持ちよくなるのかさえ。   俺は喘ぎ続ける。  グズグズに溶けてしまう。  「何でこんなになる癖に、僕を抱きたいんだ、お前は」     あの人が呆れたように言う。  いえ、それは別。  この溶かされるみたいな快感とは違い、俺はあんたに飢えているんだ。  「胸・・・触って」  そう言いながら俺はシャツの下へ手をのばし、自分で乳首を摘まんでいた。  指で摘まみ、引っばる。  指で押しながら回す。  穴を擦られる感覚に合わせてうごかせば。  胸からの甘さが気持ちよすぎた。   「自分でしてるじゃないか・・・エロすぎ、お前」  あの人が笑う。  

ともだちにシェアしよう!