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律な訳ないのに、冷静になっては自分はどれだけ律が好きなんだよ·····と呆れるくらい。
「それに大樹はそんな奴じゃないよ。
そんなことで人を傷つけるようなの奴じゃない。渉太もずっと見てきたなら分かるじゃん?」
渉太は律仁さんの問いかけにそっと頷いた。
大樹先輩はあの人とは違う。
律仁さんの言う通り、優しくてこんな自分にも気を回してくれる先輩。
誰からも慕われてて、好かれててオマケに素敵な彼女さんもいて·····。
結果は見えているけど、ちゃんと親身に受け止めてくれる人だって思いたい。
伝えることで自分が前に進めるのならば。
じゃなきゃ、こんなに自分に寄り添ってくれている律仁さんにも失礼な気がした。
律仁さんは先程の表情とは一変して屈託のない笑顔に変わる。
「大樹に振られたら教えてね。俺が渉太を慰めてあげるから」
「大丈夫です」
「遠慮しないでよ。せっかく俺が渉太を落とせるチャンスじゃん?」
「落とせるって·····律仁さんとまだそういうのは··········」
渉太は素行を知ってもなお、「落せる」だの何だの変わらない対応の律仁さんに安堵した。
律仁さんみたいな考えの人はごく稀な人だと分かっていても自分を肯定して貰えたようで素直に嬉しい。
真面目に答えたのが面白かったのか、律仁さんは「ははっ」と声に出して笑っては手に持っていた缶珈琲に口をつける。
「冗談だよ。まぁ半分本気だけど。ゆっくりでいいから」
律仁さんのこうゆう時の言葉はやっぱり軽く感じてはこの人に本気で振り回されては行けないような気がしてくる。
だけど律仁さんがいる、後押ししてくれていると思ったら乗り越えられる気がした。
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