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絵になるような綺麗な横顔に街の灯りが反射して輝いて見える眼鏡の横から覗かせる瞳。
本当に雑誌の一ページのグラビアみたいで今からこの人に俺は告白しようとしてる……そう思うとより一層緊張が増した。
「対等……?」
前を見据えていた横顔が此方へと向く。
渉太は深く頷くと大きく深呼吸をした。
「お、おっ、俺……」
律仁さんが自分に視線を向けたことによって
口を動かすのが、やっとなくらい顔が強ばっているのが自分でも分かる。心臓がドキドキと鳴り止まなくて、不安でたまらないけど、自分はこの為に来たのだから逃げるわけに行かない……。
キスをされて何も訊けずにいた自分と違う。今はダメでも兎に角、自分の心に正直にいたいから……。正直な気持ちを律仁さんに話したいから……。
律仁さんが柵に伸し掛るのを止めて、身体ごと向き直ってきた。渉太は右手で左手を握っては、怖気付かないように力を入れる。
「芸能人だから嫌いだなんて頷いたけど、そんなことなくて……律さんだと知ってもやっぱり俺、好きなんです……。雑誌とかテレビの律は本当に格好良いです。でも、ラジオで俺にアドバイスをくれた律の言葉とか歌詞の想いとかは、アイドルとかじゃなくて律仁さん自身の言葉だと思うから…やっぱり俺にとっては特別なんです。律さんも律仁さんの存在も。でも、近くで過ごしてきた律仁さんの方が数倍俺には現実的で律仁さんが困ってたら俺も助けたいって思うんです」
ゆっくりと言葉を振り絞りながら、目の前の人に想いを告げる。
律と律仁さんは同じようで別物かもしれない……だけど、言葉には偽りがないことは律を見ていても、律仁で接していてもよく分かる。
アイドルって肩書きが色々なことを考えてしまうけど、自分は肩書きとかじゃなくてこの人が好きなんだと思った。怖いものは沢山あるけど、この人のことをもっと知っていきたい。
「完璧な律とかじゃなくて、ちょっと格好悪くて、意地悪い……でも情の熱い律仁さんが俺には親近感があるというか……そのままの律仁さんがすっ……き…!?」
最後に言い終わらないうちに、甘い匂いと共に温かい体温に抱き締められて、思わず言葉が止まってしまう。
少し背の高い律仁さんに力強く抱擁されて、渉太が話そうとしていた言葉は一瞬で真っ白になってしまった。
自分の心拍数も上がっているのは分かるが、それ以上に相手から聴こえてくる心臓の音も伝わってきた。
「あの……律仁さん苦しいです」
渉太はじっと抱き締めたまま動かず、逃がさないと言わんばかりに更に力を込められてドキドキどころか、窒息しそうなるのを律仁さんの背中を軽く叩いて知らせた。
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